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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻4号

1998年03月発行

雑誌目次

増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて

企画にあたって

著者: 秋元成太

ページ範囲:P.7 - P.7

 泌尿器科医にとって,開放手術に習熟するための第一歩は,外来小手術をものにすることであろう。一方では,腎,膀胱,前立腺のようないわゆる大きな手術の助手として経験を積んでいくことが必要である。
 膀胱全摘除術は,腎摘除術と同様に泌尿器科医が標準的開放手術と認め,術前術後の管理を含めて必修とすべき術式である。わずかな例外を除き悪性腫瘍,特に膀胱移行上皮癌を対象にしているといってよいが,常に摘除後の尿路変向術も問題となる。術前化学療法(放射線療法を含めて)を行う施設も多いと思うが,当然のごとく手術によるリスクも増加する。

Ⅰ 局所解剖

膀胱全摘除術と尿路変向術に必要な局所解剖

著者: 佐藤健次

ページ範囲:P.9 - P.23

 膀胱全摘除術と尿路変向術に関係する腹部と骨盤部の血管系,リンパ系ならびに自律神経系の基本的事項を中心に解説する。

Ⅱ 適応と選択

術式の適応と選択

著者: 垣添忠生

ページ範囲:P.25 - P.31

はじめに
 膀胱全摘除術の適応は浸潤性膀胱がんが対象であることは疑いない。これにG3・T1やCIS,再発を繰り返す表在性がんをどこまで対象とするかが適応上のポイントとなる。自然排尿型の新膀胱を作製する尿路変向の選択肢が加わってからは,男女ともに尿道の取り扱いが2つ目のポイントとなる。骨盤内のリンパ節の郭清をどこまで実施するか,あるいは術中迅速診断でリンパ節転移が陽性であることが確認されたとき,膀胱全摘除術に進むか否か,これが3つ目のポイントとなろう。
 尿路変向術は,ストーマを造設するか否か,腸管を利用した新膀胱の形成による自然排尿の保証か,S状結腸,直腸を利用した肛門排尿を実施するか,大別するとこの3つが議論の焦点となろう。
 膀胱全摘除術にしても尿路変向術にしても,一度実施すれば後戻り,やり直しは困難であり,しかも患者さんの生命,術後の生活の質に直結する手術である。泌尿器科医が深く習熟すべき手術といえる。以下に,上述した筋道にしたがって,術式の適応と選択に関して議論を進めることとしたい。

Ⅲ 術前の管理

術前管理と処置

著者: 堀内和孝

ページ範囲:P.33 - P.38

はじめに
 膀胱金摘除術は,対象となる患者の年齢が比較的高い。さらに侵襲性が高いこと,尿路変向に腸管を利用する場合が多いこと,術後の尿路管理が必要なことが,他の泌尿器科手術と異なる。したがって,膀胱全摘除術の特異性を理解した上で術前処置を行うとともに,全身状態を人念に評価する。異常がある場合は術前に可能な限りの改善を試み,術中・術後管理がより安全に行えるようあらかじめ注意点,対応について十分に検討しておくことが重要である。

Ⅳ 手術器具と手術材料

手術器具・手術材料

著者: 中村宏

ページ範囲:P.41 - P.50

手術器具
 「弘法筆を選ばず」という諺があるが,手術器具に関する限り,この諺は当てはまらない。むしろ「より使いやすい手術器具を選ぶ能力も腕のうち」といったほうが当たっているのかもしれない。昭和37年(1962年)に筆者がニューヨークのMount Sinai Hospital(MSH)に泌尿器科のレジデントとして初めて米国に行ったとき,手術器具の種類の豊富さと,日本とはかなり違っていることに驚いた。例えば,日本では止血鉗子といえばKocher鉗子が使われ有鉤だったが,MSHでは無鉤のHalsted止血鉗子が使用されていた。日本では,といっても私の経験は慶應義塾大学附属病院に限られていたが,当時はほとんどどこの病院でも同じ状況だったことは間違いない。
 4年後にCornell大学附属病院のNew York Hospitalへ腎移植の勉強のために行ったが,手術器具はMSHとまったく同じだった。もちろん例外はあるものの,一般的にいって,アメリカ人は日本人よりも不器用である。

Ⅴ 手術手技 1.基本手技

血管の処理

著者: 岡田裕作

ページ範囲:P.51 - P.60

はじめに
 手術は,ヒトに傷をつけても許される唯一の合法的行為である。それは,「傷をつける」以上の恩恵が患者に与えられるためである。手術は泌尿器科医にとって,なくてはならない技(アート)の1つであるが,その多くの知識は各施設あるいは医局の伝統として先輩医師から後輩医師に直接伝授されることが一般的である。本稿で膀胱全摘除術ならびに尿路変向術を想定した手術手技の基本,主に血管の処理について述べるが,その多くは私自身が諸先輩医師から学んだことであることをお断りしておきたい。
 手術における血管の処理には,術式によって特別な差はない。前半でその共通項となるような一般論を,後半で膀胱全摘除・尿路変向術に特有な血管処理について述べる,どうしても「べからず」調の表現が多くなるが,自分が納得できる部分を採用していただきたい。表1は,全国大学病院や腫瘍病院の外科教授,医長に行ったアンケート調査のまとめから抜粋したものであるが,多くの示唆に富んだ教えが含まれている1)

腸管の処理

著者: 松島正浩

ページ範囲:P.63 - P.72

はじめに
 膀胱全摘除術に伴う尿路変向術の進歩には目を見張るものがあり,術後の患者の生活の質も著しく改善されてきている。尿管皮膚瘻術,尿管S状結腸吻合術,回腸導管造設術,尿禁制型尿路変向術,膀胱再建術など20世紀の後半の,特にここ4半世紀の尿路変向術の進歩は顕菩である1)。吻合用スティプルやメッシュなどの人工異物を使用せず,かつ自排尿できる新膀胱が完成されたことは,膀胱全摘除術を必要とする患者にとり福音である2)。ただし,尿路変向術の真価が判明するのは,術後10年を経ても腎機能障害などが発生しないことが立証されてからであると信じている。

リンパ節郭清

著者: 八木静男 ,   後藤俊弘 ,   川原元司 ,   大井好忠

ページ範囲:P.73 - P.80

はじめに
 膀胱癌に対する膀胱全摘除術時のリンパ節郭清についてはすでに多数の報告があり,その適応と意義について議論の余地はない。
 後腹膜腔へは経腹膜的あるいは経腹膜外的にアプローチし,逆行性あるいは順行性に郭清を行う。郭清範囲を標準的郭清範囲のみにとどめるか,総腸骨リンパ節までの郭清を行うかは施設間で異なる。
 リンパ節郭清は,単独でなされるものではなく,引き続き行う膀胱全摘除術がいかに容易にかつ確実に行えるかを念頭に置き,アプローチと血管処理を工夫することが大切である。

2.膀胱全摘除術

根治的膀胱摘除術(男性)—血管茎処理先行術式

著者: 福井巌

ページ範囲:P.81 - P.87

はじめに
 膀胱全摘除術は現在,浸潤性膀胱癌の治療におけるgold standardである。表在癌でも症例によっては本手術の適応となるが,表在癌と浸潤癌とでは勃起神経の温存,リンパ節郭清や腹膜切除の範囲など2〜3の点において違いがあると思われる。
 本稿では,筆者らが浸潤癌に対して通常行っている根治性を重視した血管茎処理先行の根治的膀胱摘除術について述べる。

根治的膀胱摘除術(女性)

著者: 小松秀樹

ページ範囲:P.89 - P.97

はじめに
 膀胱全摘除術は筋層浸潤を伴う膀胱癌,あるいは内視鏡で切除不能な広汎な表在性膀胱癌の治療として施行される。通常,女性の膀胱全摘除術では膀胱とともに卵巣,子宮,尿道,腔の一部を摘除する。場合によっては卵巣,子宮,腔を残す。また,腸管を使用して膀胱再建を行う場合は尿道を残す。
 女性の膀胱癌の罹患率は男性に比べ低いとはいえ,膀胱全摘除術は女性に対しても少なからず施行されてきた。骨盤内臓器の解剖は男女で大きく異なる。当然,男性と女性の膀胱全摘除術の手技は異なったものになる。しかし,女性の膀胱全摘除術を詳しく解説した教科書は最近までなかった。手術手技についての討論の蓄積も少ない。施設によってかなり異なった手術が行われていると想像する。

尿道摘除術

著者: 蓮井良浩

ページ範囲:P.99 - P.106

はじめに
 膀胱腫瘍に対して膀胱全摘除術が施行されたあとの尿道再発の頻度は,4〜17.5%1,2)といわれている。尿道再発の危険因子として,(1)多発性腫傷,(2)上皮内癌,(3)膀胱頸部腫瘍,(4)前立腺部尿道腫瘍が存在する場合が挙げられる。これらの危険因子が存在する場合は当然であるが,代用膀胱を造設するときや手術に対して高い危険度を有している患者の場合を除いて,尿道摘除術は施行される。尿道摘除術の手術時間は30分程度であるが,膀胱全摘除術と尿路変向術が別々のチームで行われる場合には,尿路変向術と並行して行うことができる。
 本稿では,膀胱全摘除術に引き続き行われる尿道摘除術の手技の詳細について,男性と女性に分けて,他の手術書3〜7)も参考にしながら述べる。

神経保存膀胱前立腺全摘除術

著者: 貫井文彦

ページ範囲:P.107 - P.114

はじめに
 神経保存前立腺全摘除術の普及に伴い,膀胱前立腺全摘除術においても勃起神経を保存する術式が応用されるようになった。この手術法の適応基準などは今後の検討課題ではあるが,本稿では神経保存膀胱前立腺全摘除術に必要な臨床解剖と手術法を中心に簡略に述べる。

3.尿路変向術 (1)尿失禁型

尿管皮膚瘻術

著者: 平塚義治

ページ範囲:P.115 - P.125

はじめに
 尿管皮膚瘻術は一世紀に及ぶ歴史があり,現在なお行われている理由は,術式が簡単で手術侵襲が少ないことにある。この術式の最大の欠点はチューブレス,シングルストーマに確実に行えないことであるが,チューブレス,シングルストーマが成功すれば腹膜外手術で手術時間が短いことや,術後合併症が少ないことより回腸導管を上回る術式となる。しかし,成功しなければカテーテル留置を余儀なくされ,患者のQOLは著しく損なわれ,合併症も増し,悲惨な経過をたどることが多い1)
 したがって,尿管皮膚瘻術を選択する場合はチューブレス,シングルストーマを目指すべきであり,現在,尿管皮膚瘻術といえばそれを指すと考えてよい。

回腸導管造設術

著者: 真崎善二郎

ページ範囲:P.127 - P.137

はじめに
 回腸導管造設術は尿路変向の中で最も頻繁に使用されるものの1つである。各施設によって様々な変法が用いられているが,基本的な原則,手技の必然性をよく理解しておくことが肝要である。手術の巧拙が短期,長期の合併症頻度を左右することを自覚しておくべきである。操作が多いため表1のようにまとめ,これにしたがって記述する。

結腸導管造設術

著者: 長久保一朗 ,   桜井孝彦 ,   桑原勝孝 ,   塚本拓司 ,   藤岡俊夫

ページ範囲:P.139 - P.148

はじめに
 尿路変向術については,今日まで世界各地でさまざまな術式が施行されてきている。骨盤内の手術では,膀胱癌がまず第一の適応となるが,後方に浸潤した子宮癌や前方に浸潤した直腸癌も,尿路変向を余儀なくされることがある。この手術方法の最も簡単なものは,尿管皮膚移植術と回腸導管造設術1)である。
 非失禁型ではKoch pouch2),Mainz pouch3),Indiana pouch4)と手の込んだ手術方法が選択されてきつつある。これらは,術後の患者のquality of life(QOL)を高めるものとして推奨されているが,手術方法は煩雑であり,手術時間も長時間におよび,術後の早期の合併症の頻度が高いことや,長期的にみてもその合併症は重篤である。カテーテルの挿人困難,結石の発生やイレウスの発生などに伴う再手術は,筆舌に尽くせないほどである。

(2)尿禁制型

コック型尿路変向術

著者: 斎藤忠則 ,   吉田利夫 ,   岡田清己

ページ範囲:P.149 - P.157

はじめに
 尿路変向術とは,尿路に何らかの異常が生じた場合,その部位より中枢で正常の尿路以外から尿を排泄させる術式である、すでに尿管皮膚瘻,回腸導管を始め多くの尿路変向術は,手技および長期にわたる経過観察の結果,完成された術式と認識されている。しかし,これらの尿路変向術の多くは,non-continent stoma 非禁制(非制御性)のストーマを有し,常に尿がストーマより流出することから集尿袋が必要となり,ボディーイメージの変化による精神的苦痛はオストメイトにとって無視できない負担となっている。
 一方,continent urinary diversion禁制(制御性)尿路変向術とは,体内に尿を貯留させ間欠的に導尿することにより,体外に集尿袋を必要としない尿路変向術である。1969年にKockが回腸を用いて体内尿貯留槽を作製し,腸重積を作製することにより失禁防止弁としてカテーテルを用いて間欠的に排尿をするいわゆるKock pouchを発表した1)。これはSkinnerらにより追試され発表された2)。時期を同じくして多くのcontinent urinary diversionの術式が発表された。それらはそれぞれ長所を有しているが,また短所もみられ長期成績はまだ不明で確立されていない。

インディアナパウチ式尿路変向術

著者: 荒井陽一

ページ範囲:P.159 - P.168

はじめに
 1982年に発表されたコックパウチ術式によって,尿禁制型尿路変向術が一躍脚光を浴びることとなるが,continent urinary reservoirそのものの歴史はさらに古い。インディアナパウチの原型である回盲部を用いたreservoirは,1950年にすでにGilchristら1)によって報告されている。しかし,低圧系のreservoir作製や失禁防止機構などに未解決の問題があり,また間欠的導尿法の概念が確立されていなかったために普及するにはいたらなかった。
 インディアナパウチは,基本的にはGilchristらの原法に腸管の脱管状化という低圧系のパウチ作製を取り入れて発展させたものである2)。本法の特徴は,終末部回腸の縫縮(plication)による失禁防止と粘膜下トンネル法による逆流防止というきわめて単純な装置を利用していることである3)。したがって,手術術式としてもコックパウチほどの煩雑さはない。この単純さゆえに腸重積法にみられる脱出(prolapse)などの重大な機能不全が起こりにくい4,5)。また,パウチ内腔にstapleなどの異物を使用しないため,これに起因する結石形成の危険も少ないことが期待される。

マインツ式尿路変向術

著者: 野々村克也 ,   篠原信雄 ,   小柳知彦

ページ範囲:P.169 - P.178

はじめに
 尿禁制を保つ尿路変向法は腸管の脱管腔化によって得られる低圧,高容量のリザバーおよび腸重積による逆流防止や尿禁制機能の形成がKockによって開発され,世界中に流布した1) 。その改良型の1つとして,1985年にマインツ大学のThüroffらは,回盲部を中心に腸管を遊離し,結腸部分に粘膜下トンネル法にて尿管を移植する方法をマインツ・パウチ(Mixed Augmentation Ileumn Zecum)として発表した2)。本邦では,兵庫医科人学の森ら3)が早くからマインツ・パウチを追試しており,われわれもそれに倣って試行錯誤を重ねてきた4,5)
 本稿では,われわれの経験に基づく本術式の要領,工夫,注意点につき概説する。

マインツⅡ式尿路変向術

著者: 清田浩

ページ範囲:P.179 - P.185

はじめに
 マインツⅡ式尿路変向術,すなわちマインツ・パウチⅡ(S状結腸—直腸パウチ)は,1993年,Fischら1)によりはじめて報告された新しい尿路変向術である。これは,遊離することなくS状結腸—直腸移行部を脱管腔化して作製したパウチに両側尿管を吻合する方法で,従来の尿管-S状結腸吻合術と同様に尿は肛門から便とともに排泄される。しかし,このパウチは低圧であるため,尿の尿管,腎への逆流が少ないことが尿管-S状結腸吻合術と異なる点である。
 われわれは,1994年より1997年10月までにすでに15例にマインツ・パウチIIを作製し,良好な成績を得ている。本稿では,その術式について解説する。

臍ストーマ(虫垂利用)尿路変向術

著者: 榊原尚行 ,   平川和志 ,   森田研 ,   三浦正義

ページ範囲:P.187 - P.192

はじめに
 膀胱全摘除術後に用いられるストーマを有する禁制腸管利用代用膀胱として,コックパウチ,インディアナパウチ,マインツパウチが広く行われている。また,外見上ストーマを有しない術式としては,臍をストーマとするいわゆる臍マインツがある。臍マインツを作製する際,輸出脚として虫垂が用いられる場合が多く,いくつか術式が報告されているが1〜4),いずれの場合も失禁防止法を用いている。
 われわれは1994年から,虫垂を輸出脚とし,失禁防止法を行わない臍マインツを作製し,良好な尿禁制を得ている。以下に,われわれが行っている術式および手術成績について述べる。

臍ストーマ(回腸利用)尿路変向術

著者: 荒川創一 ,   原勲 ,   藤澤正人 ,   郷司和男 ,   岡田弘 ,   守殿貞夫

ページ範囲:P.193 - P.200

はじめに
 泌尿器科領域では,膀胱全摘除術後の尿路変向術として,腸管を利用した術式が選ばれることが多い。近年では,尿禁制の保たれる導尿型のcontinent urinary reservoir(CUR)や,自排尿型のorthotopic urinary reservoir(OUR)が広く行われるようになり,患音のQOLの向上に寄与している。
 これら術式の中で,いくつかが確立したものとして普及してきている。そのうち,CURとしてはIndiana pouch, Mainz pouchなどが代表的なものであり,これらでは導尿輸出脚として縫縮した回腸あるいは虫垂を用いている。いずれのパウチも回盲部を利用したものであり,その輸出脚はパウチと連続性を保つ形で無理なく作製できる長所がある。一方,われわれはS状結腸を用いたパウチに虫垂あるいは縫縮した回腸を有茎で植え込み,導尿路とする方法を考案した。

(3)膀胱再建術

回腸利用膀胱再建術

著者: 上島成也 ,   松田久雄 ,   秋山隆弘 ,   栗田孝

ページ範囲:P.201 - P.210

はじめに
 腸管利用の尿路変向術として,回腸導管が半世紀にわたり施行されてきた。近年,手術の技術向上に伴い,膀胱全摘除術後の尿路変向術の1つとして自然排尿型尿路変向術が施行されるようになり,患者の術後のQOLが著しく向上するようになった。特に小腸を利用した自然排尿型尿路変向術には,Kock pouchを尿道に吻合するurethral Kock法,回腸をN字型に配列するStuder法1),ならびにW字またはM字型に配列するHautmann法2)などがある。しかし,それぞれの原法には色々と問題が多く,それぞれの施設で修正されつつ施行されている。筆者は,当初はHautmann原法に準じて行っていたが,新膀胱の形態的異常から残尿が生じ,自己導尿に至る症例を経験したので,現在では鳶巣の方法3)に準じている。
 本稿では,そのHautmann変法について解説する。なお,自然排尿型尿路変向術に先立つ骨盤内リンパ節郭清術ならびに膀胱全摘除術については別項を参照されたい。

回盲部利用膀胱再建術

著者: 山中望 ,   後藤紀洋彦 ,   川端岳 ,   下垣博義 ,   山田裕二 ,   守殿貞夫

ページ範囲:P.211 - P.218

はじめに
 腸管を利用した自然排尿型尿路変向術は,従来の回腸導管や尿管皮膚瘻などの失禁型尿路変向術に比し術後のQOLが著しく向上することから急速に普及し,近年では膀胱全摘除術後の尿路変向術の重要な選択肢の1つになった。筆者らは,1987年に右結腸利用の膀胱再建術(Goldwasser法)をはじめて導入し1),その後,小腸利用のHautmann法やStuder法,S状結腸を利用するReddy法などを若干の修正を加えつつ1996年までに90例に施行してきた。
 回盲部利用の膀胱再建術としてはGoldwasser法以外に,この変法であるMansson法2)や尿道吻合型Mainzパウチ3)などがあるが,基本的な手術操作にはあまり大きな差異はないので,本稿では,回盲部利用膀胱再建術としてGoldwasser法を取り上げ,その具体的な手術手技と考え方,さらに長期観察例における新膀胱の機能について述べる。

S状結腸利用膀胱再建術

著者: 上領頼啓 ,   竹本雅彦 ,   栗栖弘明 ,   毛利淳 ,   万波誠 ,   竹内賢

ページ範囲:P.219 - P.228

はじめに
 手術術式の選択に際してはその疾患の病態を十分に把握し,さらに術後の患者のQOLを考慮したうえで決定されなければならない。
 近年,膀胱摘出術後の尿路変向術においては,Brickerの報告した回腸導管に比べ,より術後のQOLが優れているKock pouch, Mainz pouch, Indian pouchに代表される自己導尿による非失禁型尿路変向術が登場してきた。さらに,自然排尿型尿路変向術がGoldwasserら1),Skinnerら2),Hautmann3)らにより紹介され,手術適応には制限があるものの,より生理的に近い術式として,本邦においても山中ら4)によりその有用性が実証されている。

胃利用膀胱形成術

著者: 村石修

ページ範囲:P.229 - P.238

はじめに
 胃利用膀胱形成術は1960年にSinaiko1)が初めて報告し,1970年代にLeongが試みたがその後はしばらく報告がみられない。1988年のAdamsら2)による小児13例での報告のあとに多数の報告がみられるようになり,この術式の利点および欠点が次第に明らかにされてきた。本邦では,筆者らが動物実験のあと,1990年に成人での胃利用膀胱拡大術を行い,報告した3〜5)。筆者は,その後現在までに十数例の成人で本法を行い,ほぼ満足すべき結果を得ている。本邦における小児例での胃利用膀胱拡大術の報告としては,上岡ら6)の14例の報告がある。
 胃利用膀胱形成術の適応については今だ確立しておらず議論されているが,症例によっては,他の方法では手術が不可能あるいは術後合併症の危険が大きい場合も,本法を用いることで比較的安全に膀胱形成術を行いうる場合があることは確かで,QOLを重要視した尿路再建を行うために重要な手術手技の1つと考えられる。筆者は,主に骨盤部放射線治療後の下部尿管と膀胱障害,および腎機能低下を伴う成人症例に本法を応用している。しかし,最近,放射線治療を受けていない成人症例における本法の応用も報告されている7,8)

Ⅵ 術後管理と合併症対策 1.術後管理

術直後の管理

著者: 高井計弘

ページ範囲:P.239 - P.245

1 定義
 "術直後"を周術期と理解し,約1週間の厳密な管理を要する時期と捉え,正常の術後回復を目指し,合併症を起こさないための予防およびその診断法を述べた。

回復期の管理

著者: 中川昌之

ページ範囲:P.247 - P.251

はじめに
 膀胱全摘除術および尿路変向術はその手術方法によっても手術時間は異なるが,いずれの場合もかなりの時間を要し,患者への手術侵襲は大きい。したがって,術後管理をいかに適切に行うかが手術結果に大きな影響を与える。術後管理の要点を一言で表現するなら,手術後に起こりうる合併症の発生を抑え,術創治癒を促すことであろう。しかし,同じ手術を行っても相手の患者の身体的,病的条件は個々に異なっており,このことが術後管理を複雑にしている。
 手術後の回復期にはまだ,患者の身体にいくつかのドレーン,カテーテルや点滴などがつながれており,患者はきわめて受動的な状況におかれている。したがって,極端にいえば,管理する医師の裁量で医原性の合併症をも起こしうるし,患者の回復を効率良く促すこともできる。なるべく早期に患者が介助なしに歩行し,食事が摂れるような能動的状況へ移行させることができれば,術後合併症の危険率は著しく低下し,術創治癒も進むであろう。

2.術前合併症とその対策

膀胱全摘除術における術前合併症とその対策

著者: 打林忠雄

ページ範囲:P.253 - P.254

はじめに
 膀胱全摘除術を施行するまでの間には種々の合併症がみられる。本稿では,これらの術前合併症とその対策について述べる。

3.術中合併症とその対策

血管損傷とその対策

著者: 上田公介 ,   郡健二郎

ページ範囲:P.255 - P.261

はじめに
 膀胱全摘除術に際しては,できるだけ出血量を少なく,また手術時間を短縮する工夫が重要である。このことが,引き続いて行われる尿路変向術(最近は自然排尿型代用膀胱作製術が多くなった)を容易にするだけではなく,術後合併症を少なくし,術後の回復を早めることになり,また結果的に手術時間の短縮につながる。
 術中の出血量に関しては,ほとんどが膀胱全摘除術に由来するものであり,代用膀胱作製に関する出血は少ない1)。膀胱全摘除術における総出血量は術者の技量に深く関係するが,一般的には1,000〜2,000mlであると考えられる1)。筆者らは,術中の出血量が1,000mlを越えれば普通の技量であり,500〜1,000mlが上級の技量,500ml以下であれば相当技量が上であると考え,それを達成すべく術式の改良を加えてきた2)。誰にでもできる簡単な手術手技,すなわち血管損傷を防ぐための血管処理を行えば,手術視野がわかりやすくなり,手術操作が簡単となる。

腸管損傷とその対策

著者: 金山博臣

ページ範囲:P.263 - P.269

はじめに
 膀胱全摘除術時の術中合併症としての腸管損傷はそれほど頻度は高くないが,泌尿器科医にとっては普段あまり扱わない臓器であるため,損傷に気づかなかったり不適切な処置を施し,糞瘻や腹膜炎,敗血症など重大な結果を招く恐れがあり,場合によっては生命にかかわることもある1〜6)。しかし,CTやMRIなどの画像診断技術の向上により術前診断が正確に行われるようになったため,術中に直腸浸潤やS状結腸,小腸への思わぬ浸潤から腸管を損傷することはほとんどみられなくなった,また,手術手技の向上にともない,不用意な術中操作による腸管損傷にもほとんど遭遇しなくなった。
 しかし,術前診断が100%正確に行われるわけではなく,また手術手技に習熟していない研修医が執刀した場合に思わぬ直腸損傷などを引き起こすこともある。さらに,膀胱癌に対する温存治療や,骨盤内手術,放射線照射の既往がある場合などは,周囲組織との癒着が強いことが多く,腸管損傷の危険性も高くなる1)。腸管損傷時には腸管の手術に習熟した外科医とともに損傷に対応し,最も適切な処置を行うべきであるが,必ずしも外科医の応援を受けられるとは限らない。したがって,不意の術中腸管損傷に対して適切な処置を施すためには,常日頃より腸管損傷を念頭に置き,その対応に習熟しておく必要がある。

4.術後合併症とその対策

腸管系合併症

著者: 橘政昭

ページ範囲:P.271 - P.277

はじめに
 膀胱全摘除術に伴う腸管系合併症は全摘除術と同時に施行される腸管利用による尿路変向術に関連して生じることが多い。近年,従来の導管型尿路変向術に加え尿禁制型あるいは自然排尿型尿路変向術を含む各種の腸管を利用した尿路変向術式が広く適応されるに至り,その術式も多様化しているといえる。これらの術式に伴う腸管系合併症の発生頻度は熟練した泌尿器科医においては決して高いものでないが,一度生じるときわめて重篤な合併症となることが通常であるとともに,腸管切除に伴う特徴的な合併症も存在する。
 本稿では,膀胱全摘除術,尿路変向術に伴う腸管系合併症を総括し,その対処方法および予防方法について述べることとする。

尿路合併症

著者: 魚住二郎

ページ範囲:P.279 - P.283

はじめに
 尿路変向術の歴史は長く,尿管皮膚瘻にはじまり,回腸導管に代表される失禁型の尿路変向術,これに続いてコックパウチ,インディアナパウチをはじめとする種々の尿禁制型の尿路変向術が考案された。さらに,適応症例は限定されるものの尿道排尿型の尿路変向(尿路再建)術が行われるようになった。"Simple is best"というのが手術の原則であり,手術手技が複雑になるほど合併症の種類や頻度も増えることになる。
 本稿では,尿失禁型,尿禁制型,尿道排尿型の代表的な尿路変向術における主な合併症とその対策について概説する。

循環器系合併症

著者: 中西一浩 ,   高野照夫

ページ範囲:P.285 - P.290

はじめに
 膀胱全摘除術・尿路変向術後は出血,腎不全,感染症や呼吸・循環・消化器系にかかわる様々な合併症を生じる。特に循環器系合併症は多くの場合に心拍出量の低下を伴うため,各臓器への灌流不全から機能障害を引き起こし,時として致死的となる。主なものには血圧の低下,高血圧,不整脈・血栓症などがあり,これらは本術式によってもたらされる術創からの大量出血,術中の大量輸液,術後低体温,尿路変向,長期臥床などによる影響を少なからず受ける。また,最近は患者の高齢化にともない術前より循環器系疾患を合併している場合が多くなり,周術期全般にわたる循環管理の重要性がますます増してきている。
 本稿では,膀胱全摘除術・尿路変向術後の主な循環器系合併症についてその原因と治療を主体として述べる。

5.晩期合併症とその対策

腸管利用尿路変向術と腎機能障害

著者: 有吉朝美 ,   鐘ヶ江重宏 ,   平塚義治 ,   中村英樹

ページ範囲:P.291 - P.295

はじめに
 腸管利用尿路変向術の選択に際しては,患者の腎機能にふさわしい術式を考慮する必要がある。もし腎機能に障害があれば,適当とされない術式もあるであろう。術後の腎機能障害はできるだけこれを回避し,もし発生した場合には万全の対策をとらなければならない。
 本稿では,回腸導管と蓄尿型尿路変向に大別して腎機能障害について述べる。

尿路変向術後の腎盂腎炎

著者: 柳川眞

ページ範囲:P.297 - P.302

はじめに
 尿路とは,元来,腎で作成された尿を腎盂,尿管を通り膀胱に貯留させ,尿道より体外に排泄させる臓器であり,そこには尿路感染を予防する様々な機構が存在している。膀胱を摘出し尿路を変向することは自然な尿の流れを破壊するため,また特にカテーテル挿入例や留置例では外界からの菌の侵入は防ぎきれず,容易に尿路感染を起こす素因を持つことになる。

尿路変向術後の結石形成とその対策

著者: 戸辺豊総 ,   伊藤晴夫

ページ範囲:P.303 - P.308

はじめに
 尿路結石は尿路変向に伴う最も重要な晩期合併症の1つである1)。また,尿路結石は腎機能を悪化させる大きな要因でもある。したがって,その病因と対策について知ることは,患者の長期的な腎機能保存という観点から重要である。
 現在行われている尿路変向術は,1)失禁型,2)非失禁型の2種類がある。この両者においては結石発生の部位が異なる。すなわち,回腸導管を主とする失禁型は上部尿路における結石発生のリスクが高く,コックパウチやインディアナパウチをはじめとした非失禁型の場合は下部尿路(パウチ内)結石発生のリスクが高い(表1)2〜8)

尿路変向術とストーマ合併症

著者: 坂義人

ページ範囲:P.309 - P.315

はじめに
 最近の尿路変向術は患者のQOLを考慮して,自己排尿型の新膀胱へ移行しつつあり,ストーマを形成する術式は徐々に減少していると思われる。しかし一方では,すでにストーマを有している患者(オストメイト)が多数みられ,さらに高齢や合併症あるいは腫瘍の存在部位などにより新膀胱を選択できない症例も少なくない。今後,高齢者が増えるにしたがってこのような患者が増えることも予想される。
 ストーマは一度造設されると生涯をともにしなければならないので,長い間には種々の合併症に見舞われる。これらの中には,ストーマ狭窄のように腎機能に直接影響を及ぼすものがある一方,ストーマ周囲皮膚炎のように腎機能には直接影響はないが長期にわたって患者に苦痛を与えるものもある。ストーマ周囲皮膚炎による患者の精神的苦痛は意外に大きいものである。

尿路変向術後の代謝異常

著者: 寺井章人

ページ範囲:P.317 - P.323

はじめに
 腸管を利用した尿路変向術後の患者では,代謝異常は常に留意しておくべき晩期合併症の1つである1〜4)。代謝異常には,腸管粘膜が尿成分を吸収するために生じるものと,腸管を切除することに起因するものとがあり,前者では電解質異常,高塩素性代謝性アシドーシス,薬物代謝異常,骨ミネラル量の減少による骨軟化症・くる病・発育障害,尿路感染症,尿路結石形成などが,後者では回腸末端部切除のためのビタミンB12,葉酸,胆汁酸吸収障害による巨赤芽球性貧血,末梢神経障害,下痢などが報告されている(表1)。
 使用する腸管の部位によって代謝異常の種類は異なってくるが,泌尿器科領域で最近主流となっている回腸あるいは結腸を利用した尿路変向術式に焦点を絞って以下に概説したい。さらに興味ある読者は,いくつかの総説1〜4)を参照されるとよい。

メディカルエッセイ

臆病で強気な術者の消化管の再建

著者: 髙井計弘

ページ範囲:P.24 - P.24

 手術は怖くて仕方がない。非常に上手くいったと思う手術でも,取り敢えずガスが出て患者が食事をとれるようになり,創も開かないことが確認できるまでは,内心冷や冷やしている。
 膀胱全摘除術と尿路変向術は一連の長い手術であり,油断すればどこにでも落とし穴はある。特に強調したいのは,消化管の再建である。膀胱全摘除術が上手くいき順調に尿路変向術まできたとき,出血が多くやっとの思いできたとき,尿路変向術は回腸導管だからもう少しだと思うとき,neobladderだからまだまだかかるときなど,状況はいろいろである。そんな2つの手術の途中での消化管の再建は,術後に枕を高くして眠ることができるかどうかのポイントの1つである。結紮,切離を繰り返し,ある程度力を加えて視野の悪い術野を展開する摘除術と,いったん落ち着いて浅い層で腸管を吻合する手技は雰囲気が異なり,手術の流れからも切り換え点である。

シンプルなものは美しい

著者: 上田公介

ページ範囲:P.39 - P.39

 カメラ,車,家具など,概して高級なものほどデザインがシンプルで形が美しく,飽きがこず,壊れにくい。また,素材の本来持っている良さをうまく生かしてあります。これに反して,ゴテゴテとよけいな飾りのあるものは,安物で飽きがきやすく,壊れやすく,素材の良さを生かしていません。
 車をみてみますと,日本車はゴテゴテと飾りが多く,デザインに飽きがきて,早い買い換えを消費者に勧めています。また,エンジンをとっても,ターボやDOHCなど付加物が多く付いているものを売り物にしています。友人のドイツ車のB社のものは,ターボやDOHCなど何もおまけのついていないシングルカム2000cc,6気筒の自然吸気型エンジンです。何の変哲もない,ただの6発のエンジンがストレスもなく吹き上がり,どこまでも加速していきます。何よりもナチュラル・アスピレーションのためスムーズであり,"シルキイ・タッチ"と形容されている理由がよくわかります。これに較べて日本車は瞬発力だけは猛々しいのですが,何ともぎくしゃくとしてスムーズさに欠け,あまりの違いに驚かされます。

印象深いインディアナパウチ造設患者

著者: 坂義人

ページ範囲:P.62 - P.62

 患者は現在73歳の男性で,性格は研究心が旺盛で何事にも熱心に取り込むところがある。1991年に膀胱腫瘍と診断し,TURなどの治療を行っていたが再発したため,1992年12月に膀胱全摘除術およびインディアナパウチ造設術を施行した。術前に,術後はできるだけ早く体を使うよう勧めたためか,手術翌日には自力歩行でトイレに行くほどがんばり屋で,術後もきわめて順調に経過して退院していった。導尿カテーテルは退院時にわたしてあったが,その後自分に合ったカテーテルを求めてあれこれ試し,チーマンカテーテルがよいことはわかったが,同じチーマンでも材質により先端の堅さや曲がり具合,腰の強さ,滑り具合等々が異なっており,ようやく気に入ったものを探し当てて以来,ずっとそのカテーテルを使用している。
 術後半年ほどしたある日,突然強い腹痛を訴え緊急入院した。よく話を聞いてみると,薬剤(カプセル)を服用した際に,カプセルを包装シールから取り川さずに,包装シールごと服用してしまったかもしれないという。しかし,患者はカプセル剤の服用には慣れており,今回本当にそのようなことがあったのかはっきりしないともいう。早速,腹部のX線写真を撮ってみたところ,やはり包装シールを思わせる長方形の陰影がくっきりと描出され,またイレウス状態であったため開腹して一部の腸管とともに摘出した。あれだけ堅く,角が尖ったシールでも,総入れ歯のためか痛みはまったく感じなかったそうである。

完壁なインフォームドコンセントはあり得るか?

著者: 魚住二郎

ページ範囲:P.88 - P.88

 インフォームドコンセントを強いて日本語にすると「説明と同意」になる。「説明」から「同意」に至る過程には当然のことながら「理解」と「判断」が含まれていなければならない。すなわち,医師から説明を受けた患者がその内容を理解したうえで判断を下し,医師の提示する医療行為に同意するというのが全過程となる。しかしながら,実際の現場では「理解」と「判断」という過程が欠落していることが稀ではない。医師は後々のトラブルを避ける目的で,予定している手術の内容とそれに伴って起こり得る合併症についての説明を機械的に行い,患者はおぼろげな理解のまま同意書にサインをする。最悪の場合,同意書は医師の免罪符となりかねない。
 尿路変向を伴う泌尿器科の手術においては,術式の選択におけるインフォームドコンセントが重要なことはいうまでもないが,主治医にとって患者あるいは家族の十分な理解が得られるような懇切丁寧な説明は容易なことではない。

最近思うこと

著者: 柳川眞

ページ範囲:P.98 - P.98

 20年前,私が泌尿器科へ入局した頃は,膀胱全摘除術後の尿路変向術は,回腸導管または尿管皮膚瘻がほとんどであった。それから10年が経過し,非失禁型の人工膀胱や自己の尿道へ人工膀胱を吻合する術式がよく選択されるようになった。患者さんのQOLを考えてと思い,ここ10年間,当教室でも行ってきた。しかし,老齢患者の非失禁型人工膀胱での自己導尿の問題や,晩期合併症などのいろいろな問題も起きてきている。"Simple is best"とは,何かにつけていわれることではあるが,これらの術式のなかで,よりシンプルで効率的な術式が残っていくことになるであろう。
 膀胱全摘除術を受けられる患者さんへは,まず「なぜ膀胱を取らねばならないか」の説明から始まり,膀胱全摘除術後のいろいろな尿路変向術の術式を図や文章を書き説明し,時間をかけてインフォームド・コンセントを十分に行っている。しかし,いくら話をしてもわかってもらえない患者もいる。そういう場合には,意に反するが制癌剤の阻血動注療法を繰り返し行ったり,放射線療法を行ったりして,無理なTURへ持ち込む症例もある。その特殊な2例を紹介する。

Neobladderの尿道再発,後始末の心の準備

著者: 金山博臣

ページ範囲:P.126 - P.126

 私は生来心配性である。何か事を始めようとすると,悪いことばかりを考えてしまい躊躇することが多い。誰にでもあることとは思うが,妻は「そんな優柔不断でよく医師が務まるものだ」としばしば私を馬鹿にする。しかし,私は必ずしも心配性で優柔不断が悪いことばかりとは思わない。このような私の性格は医療の現場においてもしばしば顔を出す。もちろん即断を必要とするときには論外であるが,患者さんの治療方針について真剣に悩むことは,より良い結果を生むと私は信じている。
 膀胱全摘除術を必要とする膀胱癌の患者さんがいる。果たして,どのような尿路変向がこの患者さんにとって一番よいのか。回腸導管が手っ取り早いが,QOLを考えると尿道が使える場合はNeobladder,使えない場合はContinent Urinary Reservoir(CUR)のほうがよいのではないか。しかし,合併症の可能性はどうだろうか。長期的にみた場合,パウチに関わる晩期合併症の出現頻度はどの程度か。CURは高齢になり導尿ができなくなってしまったときにどうするのか。家族に導尿してもらえる人はよいが,導尿してくれる人がいない場合はカテーテルを留置するのか。あるいは禁制型を失禁型に簡単に換えることができるCURを作製しておくのか。また,Neobladderで尿道再発したときにどのように対処するのか。

わが人生での"diversion"

著者: 有吉朝美

ページ範囲:P.138 - P.138

 昭和30年代後半の九州大学では,膀胱全摘除術後にS状腸を利用した膀胱形成術が精力的に行われていた。だが,適応外の患者には旧式の尿管瘻術が行われ,2本の大きなネラトンカテーテルが挿入された様子を私たちは西部劇の"二丁拳銃"と呼んでいた。術後,尿路感染が必発して発熱に苦しみ,尿管周囲炎の自壊による尿浸潤で激烈なフレグモーネを合併することも稀ではなかった。当時はQOLという言葉も,またそんな概念もない時代であったが,毎日患者に接している主治医としては患者が可哀相でならなかった。「癌が治ったのに贅沢をいうもんじゃない」という時代であったが,このときの印象がその後の私の進路に大きな影響を与えたことは間違いない。
 昭和42年秋,国立小倉病院勤務となり,1人ですべての患者を診るようになった。ここでは子宮癌の治療が積極的に行われており,尿路合併症の治療に悩まされることが多かった。念願の2人勤務となったちょうどその頃,少人数の病院でも実施可能な尿管瘻の改良を思い立ち,諸悪の根源であるカテーテルを追放できないものかと考えたのである。

ある苦い思い出

著者: 岡田裕作

ページ範囲:P.158 - P.158

 膀胱全摘除・尿路変向術を施行することは,われわれ泌尿器科医にとって,巨大な後腹膜リンパ節転移のある精巣腫瘍に対する後腹膜リンパ節郭清術を除けば,—番時間のかかる大きな手術である。大学病院であればスタッフの不足もなく,膀胱全摘除グループと尿路変向造設グループの2チームに分け,それぞれが思う存分に平素培ってきた技能を発揮することができる絶好のチャンスである。手術が終わった後の満足度も大きいのが普通で,医局内にある種の連帯感が醸し出され,ビールの味も格別である。近年の各種のエンドウロロジーの発展で,若い医師が開腹手術の面白さに触れる機会が大幅に減ってきてしまったのでなおさらである。
 本手術にまつわる思い出もたくさんあるが,そのうちでも最も苦く,しかも悔しい症例について述べてみたい。症例は60歳,男性。Grade3の浸潤性膀胱癌で膀胱尿道全摘除とインディアナパウチを1988年2月19日予定した。当時の常として,術前に親族の方の数名から新鮮血の提供を受けた。手術は順調に進み,大した出血もなく,膀胱全摘除が終わる頃でも出血量は数百グラムにすぎなかった。膀胱全摘除の最中に周囲を見渡す余裕がなかったが,令摘が終わってふと見ると輸血が始まっていた。担当麻酔医に「先生,なぜ輸血をはじめたのですか? 輸血なしでもいけるでしょう」と詰問したが,その若い麻酔医は「せっかく採ってもらった新鮮血だから,もったいないので輸血しました」と,なかば平然と返事をした。

膀胱全摘除術と私

著者: 垣添忠生

ページ範囲:P.186 - P.186

 1997年9月7日からモントリオールで国際泌尿器科学会(SIU)が開催された。私は病院長としての管理業務の多忙さから,最近こうした海外の学会になかなか出席できないのだが,今回は出席できたし,途中で呼び戻される事態も発生せず幸福だった。
 9月8日,初日の朝のセッションでSIU・Yamanouchi AwardがNils Kock博士に授与された。Kockのneobladderの開発者である。1982年に"J Urol"に12例の報告が出されて以来,尿路変向術に爆発的な影響を与え,世界中で次々と新しい術式が工夫され,尿路変向術は活気に満ちた新しい時代を迎えることとなった。誠に当を得た本賞の選考だったと思う。Kock博士は長身だがかなりの高齢で,ゆっくりとした口調で受賞講演を開始された。1911年のCoffeeによるureterosigmoidostomy,1954年のBrickerによるileal conduit開発に次ぐ,尿路変向術の第三世代に相当する術式の開発であることが自然と頭に入ってくる。

ニューヨークでの思いで

著者: 中村宏

ページ範囲:P.246 - P.246

 私は1962年7月にニューヨークのMount Sinai Hospital(MSH)のレジデントになった。当時,MSHでは膀胱全摘除術後の尿路変向術にはもっぱらBricker回腸導管造設術が行われていた。その頃,MSHにはDr.Stanley I.Glickmanというニューヨーク界隈の泌尿器科医なら知らない人がいない手術の名人がいた。週の3日は1日中手術場におられた。それだけの患者を手術すれば,腕が上がるのは当然だと思った。趣味は絵画の収集で,とうとう白宅の隣に美術館まで建ててしまった。
 MSHが医科大学になったとき,誰もが彼が初代の教授になると思っていた。しかし彼は固辞してClinical Professorとして臨床を続けた。Dr.Glickmanの手術は基本に忠実で,正確無比な手術だった。年間40名前後の膀胱全摘を行っていたが,手術合併症としては,尿管回腸吻合の縫合不全が起きた1名しか記憶にない。

Skinner教授のもとでのKock pouchの研修

著者: 松島正浩

ページ範囲:P.252 - P.252

 1985年6月から1年間,私は柳瀬奨学基金の援助によりUniversity of Southern Californiaの泌尿器科(主任:Donald G Skinner教授)へ尿禁制型尿路変向術,Kock continent ileal urinary reservoir法を主とした手術研修のために留学する機会を得ました。Medical Center内に新設されたKenneth Norris Jr.Cancer Hospitalでは月〜金曜日の5日間,主としてKock pouch手術が行われており,時には並列でLieskovsky先生もKock pouch手術を第2手術室で行っていました。
 Kock Pouch法は1982年にKockらにより報告されましたが,12例中6例はnipple valve不全のために修復手術が必要でした。Skinnerらは,nipple valve形成に際し,使用する回腸の腸間膜付着部に8cm幅のDeaver窓を形成することにより,nipple valveの不全に対する修復手術の減少に努めました。次いで,Marlex collarによるerosionにもとづく瘻孔からの失禁対策として,collarの材質をMarlexからDexon(PGA meshに変更しました。

「型のごとく」手術について

著者: 中川昌之

ページ範囲:P.262 - P.262

 医局での手術報告を聞いていると,時に「型のごとく行った」と説明している。手術には型のごとく行って良い場合とそうでない場合がある。
 その患者さんが当科を訪れたのは6年前のことであった。その1年半前に直腸癌に対してMilesの手術がなされていたが,今回は尿細胞診異常ということであった。とても我慢強く,また自分の病気や治療についても必要以上に尋ねることのない,医療者の側からすると,治療の進めやすい患者さんであった。膀胱鏡所見は神経因性膀胱によくある高度な肉柱形成の中に,粘膜浮腫と出血が広範にみられた。組織診断の結果は多発性の移行上皮癌(G3)であった。すでに人工肛門を造設され左脇腹に袋を下げておられるので,この上,膀胱全摘除術,尿路変向術を行い,いわゆる二丁拳銃にするのは忍びないという気持ちと,われわれがこれまで行ってきた放射線併用シスプラチン局所動注療法の高成績への期待もあり,まずシスプラチン局所動注療法を行うこととした。しかし,約3か月かけて2クール終了した時点の評価は「無効」という厳しいものであった。そこで膀胱は残せないということを説明したが,すぐに了解していただいた。恐らく,直腸の手術後が順調に経過したことと,われわれ治療スタッフを信頼していただいた上での即答であったと思う。そして,手術はといえば,予想以上に前回の直腸手術と放射線療法の影響があり,尿管,腸管の剥離が非常に困難で,小腸の色も悪く,縫合不全やイレウスなどの術後合併症を危惧しながらも型のごとく行って終了した。

吸収性自動縫合器使用の苦い経験

著者: 伊藤晴夫

ページ範囲:P.270 - P.270

 尿路変向術の最近の進歩には目をみはるものがある。QOLを重視した術式として自己導尿をする尿禁制型尿路変向術,さらには自排尿可能な正常位置の新膀胱が選択されることが多くなってきた。特に新膀胱はうまくいけば理想的であり,患者にとってはこれ以上の福音はないであろう。しかし,哺乳類だけでも7000万年以上の歴史があり,ヒトの排尿機能はきわめて精緻につくり上げられている。このメカニズムに迫ろうというのであるから大変である。新膀胱は本来は消化器である腸管を使ってつくったものであり,また当然ながら神経支配もない。尿失禁,排尿困難などの膀胱の最も基本的な問題,さらには水分・電解質の吸収の問題,温存した尿道からの癌再発の問題などその解決は容易でないことは明らかである。
 私が泌尿器科に入局したての頃,小腸を用いて尿管と膀胱をつなぐ,いわゆる"ブリッジ"といわれた手術が盛んに行われていた。この中で経過の良くなかった例は,長期的には腸の部分が拡張してしまい,再手術を要したことが多かったように記憶している。この思いが強いので,新膀胱をつくるときも小腸を使用することについ躊躇してしまう。小腸よりは大腸のほうが拡張してしまうことが少ないのではないかという気がする。そこでS状結腸を使用して,また慣れない自動縫合器を用いて新膀胱を作製したときの失敗談を書いてみたい。

心疾患患者と手術にて思うこと

著者: 髙野照夫

ページ範囲:P.278 - P.278

 循環器内科を専門にしていると,外科医から「心疾患のある患者さんに手術をする必要があるが,それに耐え得るか,また術後は集中治療室で管理する必要があるか」という相談を外来で,あるいは個人的に受けることがある。しかも「3日後に手術を行う予定であるので早急な決断が欲しい」という。それが胃や大腸の癌である場合には絶対に手術は避けられない。手術が安全に終了できるかどうか,何を基準に判断するのかが問われることになる。心臓循環器疾患がある場合は,当然,手術は慎重を要する。手術を安全に行うためには,「麻酔科医にすべてを委ねる」という態度ではいけない。
 最近では,外科医の多くは修練を積んでいるので,心疾患患者の場合には何を中心に術中・術後管理すべきかを知っていると思う。しかし,心疾患をもつ患者の手術に際して内科医に相談するときには,「外科医として何を求めているか」を明確にして欲しいと考える。また内科医には,手術患者の重要視する所見を把握して,術前に必要な検査と治療を指示し,また術中・術後に予想される問題を指摘することが要求される。さらに,どんな種類の手術の危険度が高いか,危険度が低いかが問題である。前者の手術には大動脈・末梢血管,腹部疾患,整形外科領域のものが挙げられる。その理由は,大動脈・末梢血管の場合は冠動脈疾患の合併症が多いことや出血・血行動態の変化が生じやすいからであり,整形外科疾患では高齢者が多いからである。

予期せぬ出来事

著者: 堀内和孝

ページ範囲:P.284 - P.284

 入局して最初の手術が膀胱全摘除術であった。そのときから,私と膀胱全摘除術の付き合いは始まった。9時からの執刀であったが,1年生なので8時過ぎに手術室に入った。その後,わけのわからないうち12時間が経過し,手術室を出たのは夜の8時だった。「泌尿器科はこんな長い手術ばかりなのか? とんでもない科に入局してしまった」と後悔したことを覚えている。
 月日が経ち,オペレーターとして膀胱全摘除術を行い始めたころは,先輩の指導者から「尿路変向を除いた膀胱全摘除術のみを2時間以内に終われば超一流,3時間以内ならば一流」といわれた。そこで,根性を入れて3時間以内で手術を終わらせ「今日は早い!」と喜んだこともあった。しかし,思わぬことで4時間以上かかり,尿路変向術後には"ぐったり"ということもしばしばあった。しかし,教育機関という大学病院の性質上,自分がオペレーターをすることはきわめて稀となった。指導しながら行うとどうしても時間がかかるが,自分も先輩に手取り足取り教えてもらったので,それも仕方がない。きばらず,時間を気にせず,慎重に,出血が少なく無事に終われば良しとしている。

一通の手紙

著者: 橘政昭

ページ範囲:P.296 - P.296

 私たちの教室でKock回腸膀胱の手術を初めて行ったのは1985年1月のことである。このとき,私自身は米国の留学を終え,西海岸を旅行中であった。その後,2月から慶應義塾大学病院に勤務し,教室におけるKock第1号の患者さんを病棟で拝見した。しばらく臨床から遠ざかっていた私にとって,この術式はとても斬新でかつ魅力あるものであった。それからというもの,Kock回腸膀胱に取り付かれたように症例を重ねた。はっきりいって,当初は合併症がかなり多かった。Reservoirからの尿のリーク,そのための創感染,術後イレウス,晩期合併症として結石形成,導尿困難,重積の脱出,傍ストーマの尿瘻など,数多くの合併症を経験した。
 これらの症例を重ねるうちに,術後早期のreservoirをなるべくドライに保つことが術後早期の合併症を予防するうえで有利と考え,シングルJ尿管ステントの留置を考えついた。次に非吸収性のメッシュを脚部に巻き付けていたが,これが何と脚部の腸管を貫通してreservoir内に迷入し結石形成をきたした。

泌尿器科医は溝掃除係?

著者: 八木静男

ページ範囲:P.316 - P.316

 入局1年目,私は尊敬する先輩に「あまり肩肘張らずに,気楽にやりなさい。まあ,泌尿器科は患者の"溝掃除係と配水管係"ぐらいに考えていればいいよ」とアドバイスを受けた。「なるほど。溝掃除係か!?配水管係か!?」。わかったような,わからないような曖昧な気持ちと,自分で決めた泌尿器科のイメージが「溝掃除係および配水管係」の一言で片づけられるとは,いささか複雑な気持ちであった。当時はTUR-P,尿管切石術など,確かに先輩のいう通り"水仕事"が多かった。
 やや遠回りしたが,それでは膀胱全摘除術と尿路変向術は,この「溝掃除係および配水管係」に当てはまるのかどうか考えてみた。思い出されるのは,やはり苦い思いをした患者さんのことばかりである。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈腫瘍/処置・救急・当直編〉

74巻10号(2020年9月発行)

特集 令和最新版! 泌尿器がん薬物療法―手元に置きたい心強い一冊

74巻9号(2020年8月発行)

特集 泌尿器腫瘍の機能温存手術―知っておくべき適応と限界

74巻8号(2020年7月発行)

特集 これが最新版! 過活動膀胱のトリセツ〈特別付録Web動画〉

74巻7号(2020年6月発行)

特集 小児泌尿器科オープンサージャリー―見て学ぶプロフェッショナルの技〈特別付録Web動画〉

74巻6号(2020年5月発行)

特集 高齢患者の泌尿器疾患を診る―転ばぬ先の薬と手術

74巻5号(2020年4月発行)

特集 ここが変わった! 膀胱癌診療―新ガイドラインを読み解く

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識

74巻3号(2020年3月発行)

特集 泌尿器科手術に潜むトラブル―エキスパートはこう切り抜ける!

74巻2号(2020年2月発行)

特集 いま話題の低活動膀胱―これを読めば丸わかり!

74巻1号(2020年1月発行)

特集 地域で診る・看取る緩和ケア―泌尿器科医として知っておくべきこと

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