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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻4号

1998年03月発行

メディカルエッセイ

Neobladderの尿道再発,後始末の心の準備

著者: 金山博臣1

所属機関: 1徳島大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.126 - P.126

文献概要

 私は生来心配性である。何か事を始めようとすると,悪いことばかりを考えてしまい躊躇することが多い。誰にでもあることとは思うが,妻は「そんな優柔不断でよく医師が務まるものだ」としばしば私を馬鹿にする。しかし,私は必ずしも心配性で優柔不断が悪いことばかりとは思わない。このような私の性格は医療の現場においてもしばしば顔を出す。もちろん即断を必要とするときには論外であるが,患者さんの治療方針について真剣に悩むことは,より良い結果を生むと私は信じている。
 膀胱全摘除術を必要とする膀胱癌の患者さんがいる。果たして,どのような尿路変向がこの患者さんにとって一番よいのか。回腸導管が手っ取り早いが,QOLを考えると尿道が使える場合はNeobladder,使えない場合はContinent Urinary Reservoir(CUR)のほうがよいのではないか。しかし,合併症の可能性はどうだろうか。長期的にみた場合,パウチに関わる晩期合併症の出現頻度はどの程度か。CURは高齢になり導尿ができなくなってしまったときにどうするのか。家族に導尿してもらえる人はよいが,導尿してくれる人がいない場合はカテーテルを留置するのか。あるいは禁制型を失禁型に簡単に換えることができるCURを作製しておくのか。また,Neobladderで尿道再発したときにどのように対処するのか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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