文献詳細
増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技 3.尿路変向術 (1)尿失禁型
結腸導管造設術
著者: 長久保一朗1 桜井孝彦1 桑原勝孝1 塚本拓司2 藤岡俊夫2
所属機関: 1長久保クリニック 2立川共済病院泌尿器科
ページ範囲:P.139 - P.148
文献概要
尿路変向術については,今日まで世界各地でさまざまな術式が施行されてきている。骨盤内の手術では,膀胱癌がまず第一の適応となるが,後方に浸潤した子宮癌や前方に浸潤した直腸癌も,尿路変向を余儀なくされることがある。この手術方法の最も簡単なものは,尿管皮膚移植術と回腸導管造設術1)である。
非失禁型ではKoch pouch2),Mainz pouch3),Indiana pouch4)と手の込んだ手術方法が選択されてきつつある。これらは,術後の患者のquality of life(QOL)を高めるものとして推奨されているが,手術方法は煩雑であり,手術時間も長時間におよび,術後の早期の合併症の頻度が高いことや,長期的にみてもその合併症は重篤である。カテーテルの挿人困難,結石の発生やイレウスの発生などに伴う再手術は,筆舌に尽くせないほどである。
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