icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻4号

1998年03月発行

増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて

Ⅴ 手術手技 3.尿路変向術 (2)尿禁制型

インディアナパウチ式尿路変向術

著者: 荒井陽一1

所属機関: 1倉敷中央病院泌尿器科

ページ範囲:P.159 - P.168

文献概要

はじめに
 1982年に発表されたコックパウチ術式によって,尿禁制型尿路変向術が一躍脚光を浴びることとなるが,continent urinary reservoirそのものの歴史はさらに古い。インディアナパウチの原型である回盲部を用いたreservoirは,1950年にすでにGilchristら1)によって報告されている。しかし,低圧系のreservoir作製や失禁防止機構などに未解決の問題があり,また間欠的導尿法の概念が確立されていなかったために普及するにはいたらなかった。
 インディアナパウチは,基本的にはGilchristらの原法に腸管の脱管状化という低圧系のパウチ作製を取り入れて発展させたものである2)。本法の特徴は,終末部回腸の縫縮(plication)による失禁防止と粘膜下トンネル法による逆流防止というきわめて単純な装置を利用していることである3)。したがって,手術術式としてもコックパウチほどの煩雑さはない。この単純さゆえに腸重積法にみられる脱出(prolapse)などの重大な機能不全が起こりにくい4,5)。また,パウチ内腔にstapleなどの異物を使用しないため,これに起因する結石形成の危険も少ないことが期待される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら