文献詳細
増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技 3.尿路変向術 (2)尿禁制型
臍ストーマ(回腸利用)尿路変向術
著者: 荒川創一1 原勲1 藤澤正人1 郷司和男1 岡田弘1 守殿貞夫1
所属機関: 1神戸大学医学剖泌尿器科
ページ範囲:P.193 - P.200
文献概要
泌尿器科領域では,膀胱全摘除術後の尿路変向術として,腸管を利用した術式が選ばれることが多い。近年では,尿禁制の保たれる導尿型のcontinent urinary reservoir(CUR)や,自排尿型のorthotopic urinary reservoir(OUR)が広く行われるようになり,患音のQOLの向上に寄与している。
これら術式の中で,いくつかが確立したものとして普及してきている。そのうち,CURとしてはIndiana pouch, Mainz pouchなどが代表的なものであり,これらでは導尿輸出脚として縫縮した回腸あるいは虫垂を用いている。いずれのパウチも回盲部を利用したものであり,その輸出脚はパウチと連続性を保つ形で無理なく作製できる長所がある。一方,われわれはS状結腸を用いたパウチに虫垂あるいは縫縮した回腸を有茎で植え込み,導尿路とする方法を考案した。
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