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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻4号

1998年03月発行

増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて

Ⅵ 術後管理と合併症対策 1.術後管理

回復期の管理

著者: 中川昌之1

所属機関: 1大分医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.247 - P.251

文献概要

はじめに
 膀胱全摘除術および尿路変向術はその手術方法によっても手術時間は異なるが,いずれの場合もかなりの時間を要し,患者への手術侵襲は大きい。したがって,術後管理をいかに適切に行うかが手術結果に大きな影響を与える。術後管理の要点を一言で表現するなら,手術後に起こりうる合併症の発生を抑え,術創治癒を促すことであろう。しかし,同じ手術を行っても相手の患者の身体的,病的条件は個々に異なっており,このことが術後管理を複雑にしている。
 手術後の回復期にはまだ,患者の身体にいくつかのドレーン,カテーテルや点滴などがつながれており,患者はきわめて受動的な状況におかれている。したがって,極端にいえば,管理する医師の裁量で医原性の合併症をも起こしうるし,患者の回復を効率良く促すこともできる。なるべく早期に患者が介助なしに歩行し,食事が摂れるような能動的状況へ移行させることができれば,術後合併症の危険率は著しく低下し,術創治癒も進むであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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