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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻7号

1998年06月発行

特集 泌尿器科領域における分子生物学の臨床応用:治療編

尿路結石症の分子生物学と治療への試み—オステオポンチンからのアプローチ

著者: 藤田圭治1 郡健二郎1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.481 - P.489

文献概要

 尿路結石の有機成分にオステオポンチン(OPN)が存在する。OPNは正常の腎臓では尿細管細胞に存在し,ラットに対して結石形成作用のあるもの(グリオキシル酸,副甲状腺ホルモンなど)を投与すると発現が増加し,抑制作用のあるもの(猪苓湯,ビスフォスフォネートなど)を投与すると発現が減少した。また,ラット腎尿細管培養細胞でOPN発現をアンチセンスを用いて選択的に抑制したところ,蓚酸カルシウム結晶と細胞との接着が著明に減少した。腎尿細管でのOPNの発現を阻害すると結石形成を抑制する可能性が示唆され,分子生物学的手法を用いて猪苓湯などの作用機序を示唆し,ビスフォスフォネートの臨床応用の可能性を呈示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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