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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻7号

1998年06月発行

文献概要

原著

表在性膀胱癌症例に対するピラルビシン短時間膀胱腔内注入療法

著者: 雑賀隆史12 渡辺雄一1 武田克治1 朝日俊彦1

所属機関: 1香川県立中央病院泌尿器科 2現 三豊総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.515 - P.519

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 通常の膀胱腔内注入療法における2時問の薬剤保持が困難な膀胱癌症例に対して,pirarubicin(THP)の5分間注入療法を行った。表在性膀胱癌16例に対し,TUR-Bt後に再発予防としてTHP 30mgを生理食塩水50mlに溶解し,膀胱内に5分問保持した後にカテーテルで排出し,隔日で週3回を2週,計6回注入した。さらに可能な症例では週1回の注入を継続した。また,上皮内癌(随伴性)の7例に対し,同様の方法で治療注入を行った。再発予防例では6例に再発が認められ,200日非再発率が78%,400日非再発率が42%であった。治療注入例では2例で尿細胞診が陰性化した。副作用は軽度の頻尿,排尿時痛が3例に認められたのみであった。長時間の薬剤保持が困難な症例において,THPの5分間注入療法は有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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