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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻7号

1998年06月発行

文献概要

画像診断

腎腫瘍が疑われた腎結核

著者: 柳沢健1 三國恒靖1 松本一仁2

所属機関: 1国立弘前病院泌尿器科 2国立弘前病院病理

ページ範囲:P.527 - P.529

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 患者 66歳,男性。
 主訴 肉眼的血尿。
 既往歴 56歳,胃癌にて手術。
 家族歴 特記すべきことなし。
 現病歴 10年ほど前から時々肉眼的血尿を認めていた。1992年7月頃から残尿感が出現し,近医にて慢性前立腺炎として投薬を受けていた。1994年7月頃から肉眼的血尿が持続し,当科に紹介され入院となった。
 入院時現症 左腎部に軽度の叩打痛を認め,体温は382℃であった。
 検査所見 末梢血検査では白血球数が14,100/Mm3と増加し,血液生化学検査では,GOT 57U/l, GPT 92U/1, LDH 470U/1, ALP443Ulと上昇していた。赤沈は29mm(1h),64mm(2h)であった。尿沈渣は白血球2〜3/強視野,赤血球100以上/強視野であり,術前数回の検尿でほぼ同様の結果であった。膀胱鏡検査では異常を認めなかった。
 臨床経過 入院時より38℃台の発熱が続き,各種抗生剤を投与したが解熱しなかった。DIP,逆行性腎盂造影,腹部CT,腎動脈造影などを施行し,左腎腫瘍を疑って1994年12月20日に後腰部斜切開にて左腎摘除術を施行した。病理検査で腎結核が疑われ,Ziehl-Neelsen染色を施行したところ,染色陽性の桿菌を認めた。術後,残尿感や発熱は消失し,2週間後の末梢血,血液生化学,尿沈渣では異常を認めなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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