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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻9号

1998年08月発行

原著

泌尿器科手術における希釈式自己血輸血の経験

著者: 新井豊1 朴勺1 吉貴達寛1 佐井義和2 野坂修一2 岡田裕作1

所属機関: 1滋賀医科大学泌尿器科 2滋賀医科大学麻酔科

ページ範囲:P.663 - P.666

文献概要

 泌尿器科手術における同種血輸血を可能な限り回避するために,希釈式自己血輸血について検討した。全身麻酔手術22例(男性14例,女性8例)に対して希釈式自己血輸血を施行した。全身麻酔導入後に採取された希釈式自己血量は400〜1,000ml(平均691±190ml)であり,術中出血量は88〜3,950ml(平均1,230±1,030ml)であった。22例中17例では,希釈式自己血輸血にて出血を補うことができた。希釈式自己血の採血および返血に際して,全例で異常は認めなかった。多量の出血を伴う手術では術前貯血などの他の自己血輸血法との併用が必要となるが,希釈式自己血輸血は同種血輸血を回避するために安全で簡便で有用な方法と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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