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綜説
文献概要
感染症の原因としての細菌バイオフィルムとは,細菌が感染病巣局所において菌自体が産生する菌体外多糖(グリコカリックス)からなる粘液状の鎧ないし隠れ家のなかでコロニーを形成した状態であり,この粘液状の鎧に防御された細菌は抗菌薬をはじめとする種々の因子からの攻撃を逃れられるだけでなく,鎧そのものが病巣局所への固着性をも支配しているという病態である。慢性複雑性尿路感染症の多くの病態の難治化に関与するとともに,院内感染症における細菌の耐性獲得と耐性菌による交差感染という悪循環の根源となりうるという視点から,新たな対策が望まれる感染病態である。
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