icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科53巻10号

1999年09月発行

綜説

泌尿器科腫瘍におけるテロメア,テロメラーゼの意義とその臨床応用

著者: 小川修1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.751 - P.758

文献概要

 染色体末端にはテロメアと呼ばれる特殊な反復配列構造が存在し,その長さは細胞分裂のたびごとに短縮することが知られている。このことから,テロメアは細胞分裂時計としての役割を担うと想定されてきた。また,短縮したテロメアはテロメラーゼという酵素によって伸長・付加され,このテロメラーゼ活性の発現は細胞の不死化を介して発癌と強く関連していると推定されている。実際に,ヒト癌におけるテロメラーゼ活性の発現頻度は70〜100%と高い。一方,通常の正常細胞ではテロメラーゼ活性が認められないことから,テロメラーゼを悪性度診断や治療の標的とした臨床応用が考えられる。泌尿器科領域の腫瘍においても,膀胱癌の早期診断,および前立腺癌や副腎腫瘍の悪性度診断などにおいて,テロメラーゼが臨床応用できる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら