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原著
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嚢胞状形態を呈した腎細胞癌6例について検討した。画像所見により4例が嚢胞壁より突出する腫瘤を認め,2例では隔壁を有する嚢胞壁が不均一に肥厚し造影効果を認め,腎細胞癌と診断された。5例で根治的腎摘除術、1例で腎部分切除術を施行した。病理組織学的には全例腎細胞癌で,嚢胞壁より突出する腫瘍はhobnail cellを認めたため嚢胞壁より発生した腫瘍と診断され,一方,隔壁を有する腫瘍は多房性嚢胞状腎細胞癌と診断された。組織学的特徴および予後を考慮すると,積極的に腎保存手術を施行すべきであると考えられた。
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