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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科53巻11号

1999年10月発行

文献概要

症例

後腹膜腔に発生したガーゼオーマ

著者: 敦川浩之1 井内裕満1 小山内裕昭2 徳光正行3 橋本博3 八竹直3

所属機関: 1市立稚内病院泌尿器科 2北海道社会事業協会富良野病院泌尿器科 3旭川医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.893 - P.896

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 腹部の遺残ガーゼは,生体の炎症反応によっていわゆるガーゼオーマを形成する。今回筆者らは,後腹膜腫瘤として発見されたガーゼオーマの1例を経験したので報告する。症例は66歳,女性,16年前に蛋白尿,尿潜血にて開腹腎生検を施行された既往があった。画像上では超音波検査にて内部が低輝度,一部音響陰影を伴った腫瘤を描出した。CTでは辺縁がやや高濃度で内部が低濃度であり,造影効果は乏しかった。良性腫瘍を考えたが,自覚症状があるため摘出術を行った。腫瘍は後腹膜腔にあり,一部腹横筋と癒着していた。病理検査の結果,線維性な部分と肉芽腫様の部分が混在している中にコットンファイバーと思われる線維性の異物像が散在性に認められた。16年前の開腹術の際に遺残したガーゼ線維によって発症したガーゼオーマと診断した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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