臨床泌尿器科53巻13号

1999年12月発行

症例

先天性中胚葉性腎腫に類似した成人腎過誤腫

著者： 海野智之¹ 高山達也¹ 麦谷荘一¹ 小川博² 鈴木和雄³ 藤田公生³

所属機関： ¹聖隷三方原病院泌尿器科 ²聖隷三方原病院病理 ³浜松医科大学泌尿器科

ページ範囲：P.1077 - P.1080

文献概要

　患者は51歳，女性。検診の腹部超音波検査で右腎腫瘍を指摘され，当科を受診した。腹部CT,MRIで造影効果のある径1.5cmの占拠性病変を認めたため，右腎腫瘍と診断して根治的右腎摘除術を施行した。病理組織学的診断は上皮成分と非上皮成分の混在するcongenital mesoblastic nephromaに類似した成人腎過誤腫であった。本症例は検索し得た限りでは本邦15例目と考えられ，そのうち最小の腫瘍であった。