文献詳細
綜説
文献概要
日本においてキノロン耐性淋菌の増加が著明である。これらキノロン耐性淋菌は,特定のクローンの流行ではなく,日本で一般的に行われているニューキノロン剤の分割かつ長期投与による尿道炎治療によりin vivoにて選択された多クローン性の発生と考えられる。これ以上のキノロン耐性淋菌の増加と高度耐性化を招かないためには,ニューキノロン剤による淋菌性尿道炎に対する治療方法に関しての再考が必要である。すなわち,男子尿道炎であれば,淋菌およびChlamydia trachomatisに対して抗菌活性があるということだけでニューキノロン剤を容易に選択せず,その尿道炎の起炎菌の検索を十分に行い,起炎菌に合った薬剤選択を行うことが必要である。
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