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増刊号特集 泌尿器科画像診断 Ⅲ.疾患別画像診断 1.腫瘍 (1)腎腫瘍
ウィルムス腫瘍
著者: 金川公夫1 谷風三郎2
所属機関: 1兵庫県立こども病院放射線科 2兵庫県立こども病院泌尿器科
ページ範囲:P.141 - P.143
文献購入ページに移動本症は神経芽腫に次いで多い小児固形悪性腹部腫瘍であり,1〜5歳に約80%が認められ,1歳未満の発症は稀である。初発症状のほとんどは腹部腫瘤の触知であり(75〜95%),血尿は25%以下と少ない。初診時に約12%で転移を認め,好発部位は肺,肝,腹部リンパ節である。また,多くの先天性異常を合併することが知られており,頻度の高いものは停留精巣,尿道下裂,半身肥大,無虹彩症などである。散在性無虹彩症の約1/3にウィルムス腫瘍が合併するといわれており,本疾患の患児では注意が必要である。また,Beckwith—Wiedemann syndromeにウィルムス腫瘍を伴うこともある。
ウィルムス腫瘍の5〜7%が両側性に発生する。石灰化は少なく,5〜9%に認められるのみである。鑑別診断の項で述べるclear cell sarcoma of the kidney(以下,CCSK),malignant rhabdoid tumor of the kidney(以下,MRTK)と本症はその予後により2つに分けられており,ウィルムス腫瘍のうちanaplasiaを認めないものをfavorable histology,ウィルムス腫瘍のうちanaplasiaを認めるもの(4〜10%),CCSK,MRTKをunfavorable histologyと呼ぶ。
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