文献詳細
増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断 1.腫瘍 (1)腎腫瘍
文献概要
1 はじめに
本症は神経芽腫に次いで多い小児固形悪性腹部腫瘍であり,1〜5歳に約80%が認められ,1歳未満の発症は稀である。初発症状のほとんどは腹部腫瘤の触知であり(75〜95%),血尿は25%以下と少ない。初診時に約12%で転移を認め,好発部位は肺,肝,腹部リンパ節である。また,多くの先天性異常を合併することが知られており,頻度の高いものは停留精巣,尿道下裂,半身肥大,無虹彩症などである。散在性無虹彩症の約1/3にウィルムス腫瘍が合併するといわれており,本疾患の患児では注意が必要である。また,Beckwith—Wiedemann syndromeにウィルムス腫瘍を伴うこともある。
ウィルムス腫瘍の5〜7%が両側性に発生する。石灰化は少なく,5〜9%に認められるのみである。鑑別診断の項で述べるclear cell sarcoma of the kidney(以下,CCSK),malignant rhabdoid tumor of the kidney(以下,MRTK)と本症はその予後により2つに分けられており,ウィルムス腫瘍のうちanaplasiaを認めないものをfavorable histology,ウィルムス腫瘍のうちanaplasiaを認めるもの(4〜10%),CCSK,MRTKをunfavorable histologyと呼ぶ。
本症は神経芽腫に次いで多い小児固形悪性腹部腫瘍であり,1〜5歳に約80%が認められ,1歳未満の発症は稀である。初発症状のほとんどは腹部腫瘤の触知であり(75〜95%),血尿は25%以下と少ない。初診時に約12%で転移を認め,好発部位は肺,肝,腹部リンパ節である。また,多くの先天性異常を合併することが知られており,頻度の高いものは停留精巣,尿道下裂,半身肥大,無虹彩症などである。散在性無虹彩症の約1/3にウィルムス腫瘍が合併するといわれており,本疾患の患児では注意が必要である。また,Beckwith—Wiedemann syndromeにウィルムス腫瘍を伴うこともある。
ウィルムス腫瘍の5〜7%が両側性に発生する。石灰化は少なく,5〜9%に認められるのみである。鑑別診断の項で述べるclear cell sarcoma of the kidney(以下,CCSK),malignant rhabdoid tumor of the kidney(以下,MRTK)と本症はその予後により2つに分けられており,ウィルムス腫瘍のうちanaplasiaを認めないものをfavorable histology,ウィルムス腫瘍のうちanaplasiaを認めるもの(4〜10%),CCSK,MRTKをunfavorable histologyと呼ぶ。
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