文献詳細
増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断 1.腫瘍 (2)尿管腫瘍
文献概要
1 はじめに
尿管に発生する腫瘍のほとんどは尿路上皮由来の上皮性腫瘍であり,その組織発生病理は膀胱腫瘍に準じて考えられる。膀胱,腎盂,尿管における尿路上皮癌の発生頻度の比率は30〜50:2〜5:1と尿管腫瘍が最も少ない。また,尿路上皮腫瘍の特徴として多中心性の発生が挙げられ,腎盂を含めた上部尿路腫瘍の23〜57%が膀胱を含めた尿路内の多発性腫瘍である。尿管内での好発部位は尿管下部1/3に多く,58〜74%である。患側別発生頻度において左右差はなく,両側性の発生は少ない(10%以下)。病理組織学的には90%以上が移行上皮癌で,扁平上皮癌,腺癌,未分化癌はそれぞれ数%にすぎない。
臨床症状としては,血尿が75〜90%,側腹部痛が24〜62%,また膀胱腫瘍の併発がみられるときには,頻尿や排尿痛といった膀胱刺激症状がみられることがある。
尿管に発生する腫瘍のほとんどは尿路上皮由来の上皮性腫瘍であり,その組織発生病理は膀胱腫瘍に準じて考えられる。膀胱,腎盂,尿管における尿路上皮癌の発生頻度の比率は30〜50:2〜5:1と尿管腫瘍が最も少ない。また,尿路上皮腫瘍の特徴として多中心性の発生が挙げられ,腎盂を含めた上部尿路腫瘍の23〜57%が膀胱を含めた尿路内の多発性腫瘍である。尿管内での好発部位は尿管下部1/3に多く,58〜74%である。患側別発生頻度において左右差はなく,両側性の発生は少ない(10%以下)。病理組織学的には90%以上が移行上皮癌で,扁平上皮癌,腺癌,未分化癌はそれぞれ数%にすぎない。
臨床症状としては,血尿が75〜90%,側腹部痛が24〜62%,また膀胱腫瘍の併発がみられるときには,頻尿や排尿痛といった膀胱刺激症状がみられることがある。
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