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増刊号特集 泌尿器科画像診断 Ⅲ.疾患別画像診断 1.腫瘍 (3)膀胱腫瘍
尿膜管腫瘍
著者: 中川修一1 野本剛史1 三木恒治1 伊藤博敏2
所属機関: 1京都府立医科大学泌尿器科 2京都府立医科大学放射線科
ページ範囲:P.160 - P.161
文献購入ページに移動尿膜管癌は尿膜管上皮由来の悪性腫瘍で,膀胱癌全体の0.3%程度と比較的稀な疾患とされている1)。男女比は2〜3:1と男子に多く,好発年齢は40歳台から60歳台が全体の65%を占める2)。病理学的には腺癌,特にムチン産生型のものが圧倒的に多い。
諸家により多少の違いはあるが,尿膜管癌の診断基準をまとめると,(1)膀胱の頂部に存在すること,(2)膀胱の他の部分に腺性膀胱炎や濾胞性膀胱炎が共存しない,(3)腫瘍は正常な膀胱粘膜と境されており,深部への浸潤傾向が強い,(4)尿膜管の遺残が認められる,(5)他臓器に原発性腺癌がない,ことの5項目になる。しかし,これらの条件をすべて満たすとは限らず,原発性膀胱腺癌との鑑別は困難なことが少なくない。臨床症状としては血尿が最も多く,ついで膀胱刺激症状,疼痛などを認める。
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