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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科53巻4号

1999年03月発行

増刊号特集 泌尿器科画像診断

Ⅲ.疾患別画像診断 3.尿路結石・腎石灰化症

膀胱結石

著者: 鈴木孝治1

所属機関: 1金沢医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.185 - P.187

文献概要

1 はじめに
 本症は高年齢層に多く(表1),男性では尿路通過障害,女性では尿路感染症に起因して発症するとされている。膀胱結石の一部は上部尿路結石由来であるが,膀胱内で形成されるものもあり,成分も上部尿路結石と異なる。当科で分析した尿路結石3,000個のうち,膀胱結石は約1割を占める。男性では蓚酸カルシウム(CaOx),燐酸カルシウム(CaP),燐酸マグネシウムアンモニウム(MAP),尿酸(塩)(UA,Urate)などが主成分である。女性ではMAPが最も多い(表2)。前立腺肥大症や神経因性膀胱など下部尿路通過障害があると,尿管を通過したものの,結晶および小結石は体外に排出されずに停滞が長期化し,臨床的結石へと成長する。また,基礎疾患として慢性膀胱炎などの尿路感染症が存在すると主に感染性結石が形成される。長期に留置したバルーンカテーテルや膀胱内異物,手術時の縫合糸などを核にして発生することもある。
 症状としては,鈍痛や排尿終末時痛,血尿,頻尿のほかに内尿道口を閉塞すると排尿中絶がみられる。診断は画像も有効であるが,内視鏡にて容易に診断が可能で,小結石の場合にはただちに摘出が可能なこともある。1cmを超える結石の場合には異物鉗子,砕石用内視鏡,体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)や電気水圧,ホルミウム・ヤグレーザー,リトクラストなどにより砕石してから摘出する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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