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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科53巻4号

1999年03月発行

増刊号特集 泌尿器科画像診断

Ⅲ.疾患別画像診断 4.先天異常 (3)膀胱

膀胱外反症

著者: 柿崎秀宏1 野々村克也1 小柳知彦1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.255 - P.257

文献概要

1 はじめに
 膀胱外反症bladder exstrophyは先天性に下腹壁・膀胱前壁が欠損し,膀胱内面が翻転・露出したものである。総排泄腔と腹壁の発生異常が原因で尿管口が露出し,同時に恥骨結合の解離や尿道上裂を伴う典型例から,膀胱上部の粘膜だけが外反露出するもの,あるいは尿道上裂のみのものまで種々のバリアントが存在する。本症の発生異常がさらに高度になったものが総排泄腔外反症であり,正中での下部消化管の外反や膀胱の左右への分離を伴う。これらの疾患群(外反症—尿道上裂症候群exstrophy-epispadias syndrome)は,一連のスペクトラムとして捉えるべきである。膀胱外反症の発生は欧米では1〜5万回の出産に1回の割合と報告されているが,本邦における発生頻度は欧米よりさらに少ない。
 診断は視診により明らかである(図1)。腎,尿管,性器,消化管,脊椎・脊髄など様々な奇形を合併することが多いので,全身の検索が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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