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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科53巻4号

1999年03月発行

増刊号特集 泌尿器科画像診断

Ⅲ.疾患別画像診断 8.腎性高血圧・腎血管疾患

腎動静脈瘻

著者: 山口秋人1

所属機関: 1原三信病院泌尿器科

ページ範囲:P.308 - P.310

文献概要

1 はじめに
 腎動静脈瘻は腎動脈の分枝と腎静脈の分枝の間に交通枝ができる疾患である。瘻の脆弱性により破綻が起きて,突然重大な肉眼的血尿をきたすことがある。腎動静脈瘻には先天性と後天性があり,本邦の報告では欧米と反対に先天性が多い。先天性のものでは腎動静脈奇形に由来するものが多く,後天性のものでは腎生検後,腎手術後など医原性のものが多く,腫瘍に合併するもの,外傷後のものが続く。
 また,血管造影像よりcirsoid typeとaneurys-mal typeに分類される。Cirsoid typeでは,動脈が複数流入して細い動脈が多数蛇行するnidusを形成して複数の静脈へ流出する(図1)。Aneurys-mal typeでは,動脈瘤から瘻を通じて静脈へ流出する。重大な肉眼的血尿をきたす動静脈瘻は,経カテーテル的動脈塞栓術の適応となる。塞栓物質は,cirsoid typeではエタノールが,aneurysmal typeでは金属コイルが用いられる1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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