臨床泌尿器科53巻4号

1999年03月発行

増刊号特集 泌尿器科画像診断

Ⅴ．新しい画像診断

3次元CT

著者： 林宏光¹ 川俣博志¹ 高木亮¹ 市川太郎¹ 隈崎達夫¹

所属機関： ¹日本医科大学放射線科

ページ範囲：P.385 - P.390

文献概要

1　はじめに
　1972年にHounsfieldらによりX線CTが発表され，これまで得られなかった高い濃度分解能で非侵襲的に人体の横断像を得ることが可能となった。X線CTは被験者に対して同心円的にX線を照射し，その透過X線の強度を計測して断面各点の線吸収係数を求めることから断層像を得ているが，撮影中にその位置を変えないことが任意の位置の断層像を得るための大原則とされてきた。
　これに対し，高速らせんCTとはこの大原則を積極的に打ち破り，X線管を同一方向に連続回転させながら検査寝台を体軸方向に定速移動させることで，被験者をらせん状にスキャンして，その投影データを収集する新しい撮影法が可能なCT装置である。