文献詳細
綜説
文献概要
虫垂を泌尿器科の手術に利用する試みは,Mitrofanoff法の報告以来,さまざまな形で取り入れられている。特に,自己導尿型代用膀胱のカテーテル挿入用の導管としては理想的な臓器として認識されている。虫垂による導管の最も優れた点は,カテーテルの挿入困難の頻度が少ないことと,手術手技が簡単である点である。また,虫垂を利用することで使用する腸管の長さが短くて済む。虫垂は起始部をストーマに,先端部を膀胱側に吻合する方法が優れている。また,虫垂は尿管の代用としても優れた臓器である。最近は虫垂を洗腸用のカテーテル挿入のチャンネルとして利用し,便失禁の予防や人工肛門の管理に利用する方法も考えられている。
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