文献詳細
綜説
文献概要
浸潤性膀胱癌に対する治療は膀胱全摘除術が基本であるが,術後約半数は遠隔転移により死亡する。MVACを中心とした多剤併用化学療法により奏効率は向上し,根治的治療の後に化学療法を施行すること(アジュバント療法)で非再発期間の延長は得られるが,それによる予後の改善は明らかではない。また,根治的治療前に化学療法を行うこと(ネオアジュバント療法)で約30%の症例においてCRが得られ,さらにTURや放射線療法を併用することにより,かなりの症例で膀胱保存が可能となっている。しかしながら,予後の改善が得られるかについては,やはりいまだに明らかではない。
掲載誌情報