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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻12号

2000年11月発行

手術手技 基本手技・23

コメント

著者: 大島伸一1 鈴木孝治2 田中達朗2

所属機関: 1名古屋大学医学部泌尿器科 2金沢医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.923 - P.925

文献概要

 腎移植の定型的な術式については相川先生が詳しく論説されており,つけ加えるところはないので,私の経験から特に注意している点について2〜3述べる。
 移植手術はgraftを十分に機能させるようにすることが目的の手術である。当然のことであるがgraftは十分な血流を得て機能する。したがって,腎移植の手術では術前にgraftをどの位置に,すなわち移植床をどこにし,どの血管と吻合するかを決定しなければならない。移植床の決定には腎の大きさと手術を受ける人の体格を考慮し,移植された腎臓が十分に収納される場所を選ばねばならない。特に小児の場合には,腸骨窩が狭く大人の腎臓を移植して収納することが不可能な場合があり,術前にどの場所へgraftを収納するかの決定は重要である。移植床の決定は相川先生が述べているように,右の腸骨窩のほうが手術がしやすいので,右側を選ぶ術者も多い。しかし手術時のやりやすさに多少の差はあるにしても,それ以上の理由はなく,左,右に特にこだわる必要はない。移植する場所が決定されたら,吻合する血管と位置を決めなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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