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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻13号

2000年12月発行

手術手技 基本手技・24

コメント

著者: 横山雅好1 小川修2

所属機関: 1愛媛大学医学部泌尿器科 2京都大学大学院泌尿器病態学

ページ範囲:P.1010 - P.1012

文献概要

 平川真治先生の『精巣腫瘍の後腹膜リンパ節郭清術』という論文に対するコメントを依頼された。精巣腫瘍の後腹膜リンパ節郭清術(RPLND)に関する邦文の総説論文はそれほど多くないので興味深く読ませていただいた。本論文の第一印象を一言で言うと,RPLNDを詳細な図を使って非常にわかりやすく解説されており,泌尿器科臨床医にとって大変参考になる論文と思われた。とくに本論文では腹腔鏡下手術を除いた通常のRPLNDにおける術前検査や術前処置から細かな手術手技,術後の管理まで詳細に解説されている。
 この中で術前検査では,3D-CTAやMRIによる血管系の検索の有用性が述べられているが,全く同意見である。とくに,3D-CTAは大血管と腫瘍の位置関係を明らかにするため,手術時に大変参考になる。また,腫瘍の大血管への直接浸潤の有無,とくに静脈系への浸潤は血管造影よりもMRIのほうが診断が正確であり,大静脈や腎静脈などに浸潤が疑われるような病巣の場合,必ず施行すべき検査と考えている。論文では,化学療法やRPLNDの前に精子の凍結保存の必要性を述べているが,この点でも著者の意見に同感である。現在われわれは,精子の凍結保存に関しては,既婚男性では婦人科と協力して積極的に行うようにしているが,未婚の患者に対しては慎重に対応している。これは未婚者では実際の精子の使用時期が未確定であり,責任を持って長期間の保存ができるかが不明であること。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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