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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻13号

2000年12月発行

ディベート 超音波ガイド下腎腫瘍生検術

腎腫瘍生検は果たして必要か—必要とする立場から

著者: 原勲1

所属機関: 1神戸大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.1045 - P.1049

文献概要

 1994年8月から1999年10月までの5年間に神戸大学医学部附属病院泌尿器科にて腎腫瘤性病変に対し針生検を施行した33症例を対象とした。腎腫瘤性病変に対しエコーガイド下に針生検を行った。内訳は,(1)画像診断にて腎細胞癌の所見を欠いたものが15例,うち腎細胞癌は11例で,悪性リンパ腫が1例に認められた,(2)癌性変化を疑った嚢胞性病変が7例,うち1例で腎細胞癌が認められた,(3)腎細胞癌と腎盂腫瘍の鑑別に用いたものが7例,うち2例は腎細胞癌,残りの5例は腎盂腫瘍であった,(4)腎細胞癌と血管筋脂肪腫の鑑別に用いたものが4例,うち1例が腎細胞癌で,残りは血管筋脂肪腫であった。悪性腫瘍と診断され手術を受けたものは15例で,摘出標本と針生検での病理診断が一致していたのは13例(86.7%)であった。重篤な合併症および腫瘍の播種は認められなかった。本検査法は腎の腫瘤性病変の診断に有効であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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