icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻13号

2000年12月発行

小さな工夫

恥骨後式前立腺全摘除術における術中経直腸超音波検査の有用性

著者: 三股浩光1 野村芳雄1

所属機関: 1大分医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.1060 - P.1060

文献概要

 前立腺尖部の形状は個人差が大きく,尿道後方の尖部のみが遠位方向に延びている例もある。恥骨後式前立腺全摘除術においては前立腺に切り込まずに,しかも可及的に外尿道括約筋を温存するために,前立腺尖部は特に慎重な操作が求められる部位である。左示指の直腸診と右示指による触診によって前立腺尖部の形状を把握して切除断端を決定するが,腹腔鏡下手術やミニラパロトミーによる前立腺全摘除術の場合には触診が不十分で,正確な形状の把握が困難である。
 このような場合に術中経直腸超音波検査を用いると,前立腺尖部と膜様部尿道の位置関係を明瞭に把握でき,切開線をリアルタイムで観察できる。さらに直腸壁を観察しながらデノビエ筋膜の切開・剥離が可能となり,周囲組織と癒着のある症例でも直腸損傷を起こす心配がない。また,膀胱頸部を可及的に温存する場合にも本法は有用である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら