臨床泌尿器科54巻2号

2000年02月発行

症例

原発性腎盂移行上皮内癌の1例

著者： 笠井利則¹ 辻雅士¹ 上間健造¹ 桜井紀嗣¹ 守山和道²

所属機関： ¹小松島赤十字病院泌尿器科 ²四国中央病院泌尿器科

ページ範囲：P.141 - P.143

文献概要

　67歳，男性。主訴は無症候性肉眼的血尿で，尿細胞診はclass Vであった。膀胱多部位生検を施行したが悪性所見を認めず，右尿管口より少量の出血を認め，両側分腎尿採取，両側逆行性腎盂造影，右尿管鏡検査を施行した。右尿管鏡検査で腎盂粘膜の発赤を認めた。右分腎尿細胞診でclass Vを認め，右腎盂の原発性移行上皮内癌と診断し，右腎摘除術，右尿管引き抜き術を施行した。現在，術後約2年になるが再発を認めていない。