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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻3号

2000年03月発行

症例

高カルシウム血症を呈した尿管移行上皮癌

著者: 井上克己1 菅原草2 檜垣昌夫2 門脇昭一1 吉田英機1

所属機関: 1昭和大学医学部泌尿器科 2国立病院東京災害医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.229 - P.231

文献概要

 症例は60歳,女性。1994年9月,肉眼的血尿にて当科を受診した。右尿管腫瘍の診断にて,10月19日に右腎尿管全摘除術,膀胱部分切除術を施行した。病理組織学的診断はTCC,G3,pT3,pN2であった。術後,MVAC療法を3コース施行した。1996年4月に再発し,1997年10月5日に癌死した。終末期の1997年9月に高カルシウム血症を呈し,血清PTHrPが高値を示した。病理解剖で得られた転移巣は移行上皮癌で,組織中のPTHrPも高値を示した。悪性腫瘍における高カルシウム血症は稀な病態ではないが,腎盂尿管癌や膀胱癌での報告例は少ない。また,組織型によって頻度が異なり,移行上皮癌で高カルシウム血症を合併する例は稀である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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