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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻4号

2000年03月発行

増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている

Ⅴ.外来診療のポイント

陰嚢水瘤,精索水瘤,精液瘤,精索静脈瘤

著者: 池本庸1 大石幸彦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.173 - P.177

文献概要

陰嚢水瘤,精索水瘤
1 成因
 陰嚢水瘤は陰嚢水腫,精巣水腫とも呼ばれ,精索水瘤は精索水腫とも呼ばれる。胎児期に精巣は腹腔内から陰嚢内へ下降するとき,腹膜の一部が一緒に引き降ろされる。出生後はこの部分の腹膜が腹膜鞘状突起として閉鎖して鼠径管内に残り,一方,精巣を包み込んでいた腹膜の一部は精巣固有鞘膜として精巣を被包する。したがって,腹膜鞘状突起は,当然,精巣固有鞘膜も腹膜と同一のものである。また,精巣固有鞘膜はしたがって2層構造であり,腹膜と同様にそれぞれ臓側板,壁側板と呼んでいる。
 また,腹膜に自律的分泌能があって常に適当量の腹水をたたえているように,精巣固有鞘膜内にも少量の陰嚢水瘤液が正常でも存在する。そして,靴状突起内および固有鞘膜内に液体が過剰に貯留して,腫瘤として気付かれた状態がそれぞれ精索水瘤,陰嚢水瘤である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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