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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻4号

2000年03月発行

増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている

Ⅵ.診断・治療のための必須知識

急性腎不全—診断と治療

著者: 岡田倫之1 椿原美治1 高原史郎2

所属機関: 1大阪府立病院腎臓内科 2大阪大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.225 - P.229

文献概要

1 はじめに
 急性腎不全とは,急速なGFRの低下(数時間〜数週間)および尿素窒素やクレアチニンなどの窒素代謝産物の蓄積によって特徴づけられる症候群である。通常,初期は無症状で臨床検査で急激なBUNや血清クレアチニンの上昇がみられる。1日の尿量が400ml以下の乏尿がみられることが多い(乏尿性急性腎不全)が,尿量が400ml以上保たれる非乏尿性急性腎不全のこともあり,臨床像は様々である。腎臓は無機能になっても回復する臓器であるにもかかわらず死亡率が高いのは,重篤な基礎疾患を有することと,感染症や消化管出血などの合併症のためである。
 病態の理解と治療に関し,従来から行われている腎前性,腎性,腎後性に分けて考えると理解しやすい(次項参照)。これに対して,狭義の急性腎不全とは腎性急性腎不全のうち腎虚血や腎毒性物質を契機とし,形態的には尿細管壊死がみられる急性尿細管壊死(acute tubular necrosis:ATN)をいう。腎機能の指標として臨床でよく用いられるBUNや血清クレアチニンは,腎機能低下を知るには感度の低い検査法である。腎機能低下以外の原因で上昇したり(表1),腎機能がかなり低下(GFR30〜50ml/分以下)しないと反映されないことに注意を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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