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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻6号

2000年05月発行

文献概要

手術手技 基本手技・17

コメント

著者: 岡田謙一郎1 碓井亞2 中本貴久2 中原満3

所属機関: 1福井医科大学泌尿器科 2広島大学医学部泌尿器科 3県立広島病院泌尿器科

ページ範囲:P.441 - P.443

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 会陰式前立腺摘除術(RPP)はYoungによって確立され,およそ100年が経過した。しかし,現今では前立腺癌の根治手術はほぼ恥骨後式(RRP)に行われている。いくつかの理由が挙げられるが,男子小骨盤腔の解剖,前立腺〜膀胱頸部,尿道括約筋群,血行と神経支配などが明らかになったこと,特にMyers,Walshらの業績でRRPの技術が飛躍的に進歩したことが特筆されよう。Bunchingtechniqueや性機能神経温存手術の確立は最たるもので,技術の進革は手術侵襲や後遺症を著減させた。また,骨盤リンパ節の評価すなわちstaginglymphadenectomyが同時に行えることも,RRPが流布した理由であった。
 しかし,近年RPP復活の兆しがみられている。最大の弱点であったlymphadenectomyが行えないことが補填されたからである。つまり,腹腔鏡によりこれが事前に低侵襲に行えるようになったことや,PSAやGleason scoreから少なくともリンパ節は無辜であろうとかなり正確に予測できるようになったことによる。前述のように,局所解剖所見が詳らかになったことも,もともと前立腺に直達できる特徴が売りものの経会陰式リバイバルの要因であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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