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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻6号

2000年05月発行

原著

排尿障害患者の残尿量と尿路感染の関連

著者: 吉野恭正1 大石幸彦1 小野寺昭一1 大西哲郎1 波多野孝史1 鈴木康之1 鈴木博雄2 高坂哲3 絹川直子4

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科 2佼成病院泌尿器科 3東京都リハビリテーション病院泌尿器科 4九州大学医学部医療情報部

ページ範囲:P.455 - P.457

文献概要

 尿路感染予防は排尿障害患者の管理に不可欠である。そこで,①残尿量,尿比重と尿路感染(以下,UTI)の相関の有無,②UTIを起こす具体的残尿量と尿比重,③残尿量と尿比重はお互いにUTIに関して独立して関与するか,につき検討した。排尿障害患者420名(男性408名,女性12名,23歳から93歳,平均68.3歳)を対象とした。原疾患は前立腺肥大症173名,神経因性膀胱241名,前立腺癌6名であった。結果は,①UTIありは,なしに比べて有意に残尿量が多く,尿比重も高かった,②残尿量148ml以上,尿比重1.019以上で有意にUTIの合併率が高くなった,③残尿量と尿比重は統計的にUTIに関し互いに独立して関与していた。以上より,排尿障害患者のUTI予防には残尿量を148ml以下,尿比重を1.019以下とすることが具体的な基準と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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