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綜説
文献概要
固形腫瘍が増殖,転移していくためには自らを栄養する血管を新生する必要がある。尿路癌には腎細胞癌や膀胱癌など血管新生活性の強いものが多く,血管新生の程度が患者の予後を規定するとの報告が多数ある。血管新生はVEGF,b-FGF,PD-ECGFなどのさまざまな血管新生促進因子が癌細胞あるいはマクロファージなどの間質細胞から産生分泌されて起こる。またこれらの細胞ではインターフェロンα,インターロイキン−1,血小板第4因子などの血管新生抑制因子も産生され血管新生が制御されている。こうした機構を明らかし腫瘍血管新生を抑止できれば尿路癌をはじめとした癌の治療に応用できるであろう。
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