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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科54巻8号

2000年07月発行

交見室

Germ Cell Tumorは「胚細胞性腫瘍」でなく「生殖細胞性腫瘍」が正しい

著者: 友吉唯夫12 島博基3 守殿貞夫45

所属機関: 1滋賀医科大学 2元日本泌尿器科学会アンドロロジー部門 3兵庫医科大学 4神戸大学医学部 52001年日本泌尿器科学会総会

ページ範囲:P.661 - P.661

文献概要

 精巣腫瘍のおもなものは,germ cell由来のもので,そのほかに体細胞由来のセルトリ細胞腫瘍や,ライデイッヒ細胞腫瘍などがあります。ところが,germ celltumorを「胚細胞性腫瘍」と表現している学会発表や論文,さらに成書がしばしばみられます。しかしこれは誤りであると私たちは考えております。以下にその理由を述べます。
 Germ cellの訳語は生殖細胞です。『日本泌尿器科学会用語集』もそうなっており,胚細胞ではありません。胚細胞はembryonal cellの訳語であり,両性の生殖細胞が合体してはじめて成育してくる発生初期の細胞であります。精巣腫瘍組織のなかには,胚細胞性の構造たとえば卵黄嚢,絨毛組織、胎児性未分化または成熟組織などを有するものもありますが,精上皮腫(semi-noma)のように,胚形成をしめさず,生殖細胞の原型のままで腫瘍化したものも多いのです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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