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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科55巻10号

2001年09月発行

文献概要

原著

レーザーによる精管凝固閉塞術の検討

著者: 肖新民1 趙启華1 金国輝1 王圣渃1 罗光明1 許亚宏1

所属機関: 1中国人民解放軍第四五二医院泌尿科

ページ範囲:P.945 - P.949

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 我々は,兎精管20本とヒト摘出精管12本を対象に,レーザーファイバーを精管腔内に差し込み,Nd:YAGレーザーを用いて30〜50Wの出力で凝固閉塞を行った。この試験照射による有効凝固閉塞域値は,兎精管が40W/0.5〜1秒で,ヒト精管が50W/0.5秒ならびに45W/1秒であった。上記の結果を受け筆者らは,兎150匹の精管にNd:YAGレーザーを用いて凝固閉塞試験を行った。レーザーの出力40W群は,術後7〜14日目に脱落組織により精管が閉塞した。病理組織学的には術後30日目に炎症性細胞が過形成となり,3か月間は管腔が完全閉塞し,凝固部位には3mmの小結節を呈した。病理検査の結果,線維組織は増殖していたが,精管周囲の血管の病理的な傷害はなかった。また,バースコントロール希望男性15例に対して,経皮的に精管に刺入してレーザーによる凝固閉塞術を施行した。結果は14例で精液中に精子が認められず,1例でわずかな精子を認めた。レーザーによる精管凝固閉塞術は伝統的な結紮術より簡便かつ切開創も小さく,凝固部位も短く,再吻合も行いやすいと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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