文献詳細
綜説
文献概要
発生母地および細胞形態学的特徴に基づいた腎細胞癌の新しい分類が提唱され,腎細胞癌は組織学的に淡明細胞癌,乳頭状腎細胞癌,嫌色素細胞癌,集合管癌に分類されるようになってきた。一方,癌は遺伝子の病気であり,癌遺伝子の活性化や癌抑制遺伝子の不活化により発生し悪性化することが解明されてきた。遺伝性腎細胞癌に対する遺伝子解析や,組織学的特徴と染色体異常および遺伝子変異の関係に対する研究から,腎細胞癌の組織分類と遺伝子変異の関連が明らかになりつつある。さらに,浸潤や転移など悪性度に関する染色体・遺伝子も解明されてきており,分子生物学を導入することにより腎細胞癌の理解がますます深まるものと思われる。
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