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綜説
文献概要
前立腺炎症候群とは,従来の前立腺炎の概念に加えて,前立腺周囲や骨盤内臓器における有痛性の関連疾患をも包括した新しい概念である。前立腺炎の診断法や治療法,効果判定の基準に関しては細菌性前立腺炎ではほぼコンセンサスが得られているが,慢性非細菌性前立腺炎や前立腺痛ではいまだに確立していないのが現状である。最近の動向として,診断の簡略化を摸索して2検体分割採取法が考案され,NIHが診断法と重症度評価の方法について世界的な統一を目指して,新しい分類法と症状スコアを提唱した。そこで,前立腺炎症候群の病態解明および治療法に関する最近の研究成果を示しながら,NIHの新しい提案の臨床的有用性について述べる。
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