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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科55巻2号

2001年02月発行

原著

尿路性器癌入院患者に対する癌告知の現状

著者: 影林頼明12 大園誠一郎1 冨岡厚志1 川上隆1 雄谷剛士1 百瀬均1 吉田克法1 平尾佳彦1

所属機関: 1奈良県立医科大学泌尿器科 2現 大阪回生病院泌尿器科

ページ範囲:P.157 - P.161

文献概要

 尿路性器癌患者に対する癌告知の現況を検討するため,入院患者本人に対する告知病名について診療録からレトロスペクティブに解析した。最終告知病名が「癌」であった症例のみを告知例とし,「悪性腫瘍」「前癌病変」などは非告知とした。1996年4月より1998年3月の2年間に尿路性器癌の入院患者数は155例であった。疾患別の癌告知頻度は,表在性膀胱癌で57%,浸潤性膀胱癌で94%,前立腺癌で73%,腎細胞癌で73%,腎盂尿管癌で56%であり,全症例での癌告知率は70%であつた。しかし,再発・再燃症例や有転移症例,緩和療法目的症例,また76歳以上の高齢者においては告知率は低下し,それぞれ59%,58%,47%,30%であつた。1996年度には57%であつた癌告知率が1997年度には82%に上昇し,なかでも緩和療法目的症例に対する告知率は0%から64%に上昇していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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