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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科55巻4号

2001年03月発行

増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて

Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理 D.開腹的手術 6.尿路変向術

下部尿路再建術

著者: 上領頼啓1

所属機関: 1山口県済生会下関総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.168 - P.177

文献概要

1 はじめに
 代用膀胱の術後合併症の発生を予防するには,手術適応について術前のしっかりした評価が重要である。術前の評価を曖昧にすると術後合併症に悩まされることになる。手術適応としては,表1に示すように(1)と(2)に挙げた患者自身が手術術式の特徴(長所と短所)を十分に理解し,自己導尿を含めた術後の排尿自己管理を精神的,肉体的に実行できることが最も重要である。(1)〜(6)の条件を克服できないような症例は他の尿路変向術を選択し,本手術を施行すべきではない。
 合併症の発生を低下せしめるもう1つの方法は理想に近い代用膀胱を作製することである。すなわち(1)内圧が低圧で,(2)形状が球形に近く,(3)骨盤の中央に位置し,(4)適度な容量を持つパウチを形成することである。その上で表2に列記した(1)〜(6)の項目を満たす代用膀胱となれば術後は高いQOLが得られる。代用膀胱の術後に生じる主な合併症を成因別に整理して表3に示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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