icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科55巻4号

2001年03月発行

増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて

Ⅳ.術後合併症とその管理 3.呼吸器系

肺塞栓症

著者: 松田祐一1 山中望2

所属機関: 1神鋼病院循環器科 2神鋼病院循泌尿器科

ページ範囲:P.289 - P.292

文献概要

1 はじめに
 肺塞栓症とは,血栓,脂肪,腫瘍,空気,羊水,細菌,異物など種々の塞栓子が肺循環に流入し,肺動脈を閉塞することにより急性右心不全を呈する疾患で,なかでも静脈内や心腔内に形成された血栓が遊離し,急激に肺血管を閉塞する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:以下,PTE)が最も頻度が高く,通常,肺塞栓症といえばPTEを指す1)。PTEは,従来,本邦では稀な疾患であったが,近年では決して稀ではない。突然死も多く死亡率が高い一方,診断率が低く見逃しが多い。特に術後合併症のPTEは広汎型や劇症型が多く,死亡率も29%と高い2)。しかし,発症時は重篤でも急性期を乗り切れば予後は比較的良好なので,早期の確定診断と治療開始が必要不可欠である。
 本稿では,術後合併症のPTEとその管理について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら