文献詳細
綜説
文献概要
表在性膀胱癌の問題点は,経尿道的手術後に再発と進展を起こしてくることである。再発の診断のために,尿中の腫瘍マーカーであるBTA,NMP22,テロメラーゼなどが報告されているが,高異型度の腫瘍や上皮内癌の診断は尿細胞診の感度で満足できるために,いまだに尿細胞診を中心として再発の診断を行っている。再発と進展を予測するために,T1の細分化,ウロキナーゼ,p53,血管内皮増殖因子などが検討されているが,いまだ普及しないのは簡便性の問題と思われる。また,治療における抗癌剤とBCGの注入療法は確立されているが,効果と副作用に問題があるため,今後は免疫賦活作用のある薬剤との併用が検討されると思われる。
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