文献詳細
綜説
文献概要
早期前立腺癌患者数の増加,治療法の進歩と選択肢の幅の広がりなどに伴い,医療成果を評価する重要な因子として患者のQOLが注目されている。各治療法に伴い,患者は何らかの犠牲を一定期間払わなければならないが,その問題に対する定量的な情報はまだまだ不十分である。信頼性・妥当性の確認された,国際的に標準化された質問票を使用した縦断的観察研究が米国を中心に盛んになりつつある。日本人前立腺癌患者に関するQOLデータの蓄積は今後の大きな課題である。QOL研究の意義は,治療法選択の際に偏りのない情報を患者に与えることを可能にし,患者と医療者側との良好な関係の構築につながると考えられる。
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