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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科56巻1号

2002年01月発行

小さな工夫

骨盤内手術における3ウェイヘマチュリアカテーテルの使用経験

著者: 古家琢也1 高橋信好1

所属機関: 1弘前大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.93 - P.93

文献概要

 回腸膀胱は,浸潤性膀胱癌の尿路再建術として多くの施設で行われている。回腸膀胱への留置カテーテルは,カフの容量が大きいこと,新膀胱の洗浄の際に側孔が多くあるほうが都合がよいことなどの理由から,3ウェイカテーテルが一般的に使用されている。しかしこのカテーテルの欠点として,1)先端が硬いため新膀胱に穴が開く,2)先端が長いため側孔の位置によっては腸粘液が洗浄にて十分に除去できない,3)カフが自然に抜けることが多いためカテーテルが自然抜去してしまうといったトラブルが頻繁に発生した。そこで我々は,腎盂バルーンカテーテルのように,先端が短く先穴があり,しかもある程度の弾力のあるカテーテルが留置カテーテルとして有効ではないかと考え,クリエートメディック(株)の協力で,22Fr.3ウェイヘマチュリアカテーテルを開発した(図)。このカテーテルの特徴として,1)カフが60mlまで膨らむため,回腸膀胱あるいは前立腺全摘除術後の留置カテーテルとして使用可能である,2)先端が短いため,新膀胱に穴があくといったトラブルがなく,また前立腺全摘除術では膀胱刺激症状が非常に少ない,3)先穴があいているため,洗浄により腸粘液が十分に除去可能である,4)カテーテルが柔らかいため,様々な状況に対応可能である,5)他のカテーテルと比べてもコスト的に遜色ない,6)オールシリコン製のため感染症の発生頻度が少ない,などといった長所が挙げられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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