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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科56巻10号

2002年09月発行

原著

黄体化ホルモン誘導体による骨塩量低下に対する臨床的検討

著者: 熊本廣実1 影林頼明1 壬生寿一1 谷満2 大山信雄2 平松侃2 大園誠一郎2 平尾佳彦2

所属機関: 1大阪回生病院泌尿器科 2奈良県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.815 - P.820

文献概要

 性腺機能の低下は骨粗鬆症を引き起こすことがある。黄体化ホルモン誘導体luteinizinghormone-releasing hormone agonist(LH-RH-a)が前立腺癌患者の骨塩量に与える影響について検討した。LH-RH-a治療中の前立腺癌患者34例を対象とし,骨塩量測定はDEXA(dual energy X-ray absorptiometry)を用いて,腰椎L2-L4および大腿骨頸部の骨塩量を測定し,年齢別正常骨塩量との比率(%BMD)を計算した。LH-RH-a使用期間と腰椎および大腿頸部の%BMDにおいては相関が認められなかったが,LH-RH-a使用6か月前後における腰椎%BMDの平均が100.8±19.5から98.3±19.9へ有意に低下した(p<0.01)。前立腺癌患者にLH-RH-aを使用し続けることにより骨密度が低下し,その低下は,LH-RH-a使用期間中持続することが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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