文献詳細
特集 私の行っている縫合と吻合の手技・3
文献概要
手術に先立ち,可能であれば,滅菌精製水あるいは空気にて膀胱を膨らませておく。腹直筋前鞘を切開後,腹直筋を鈍的に左右に開くと膀胱頂部・前壁が出現する。切開予定部の両側を3号絹糸にて2点支持し,その間を切開し膀胱内腔に到達する。膀胱の縫合・閉鎖には必ず吸収糸を用いる。全層を2-0吸収糸にて結節縫合し,これらの縫合間に漿膜結節縫合を施し第1列縫合糸を埋没させる方法と,粘膜を3-0吸収糸で連続縫合し漿膜・筋層は2-0吸収糸で結節縫合する方法の2通りがある。すべての操作が終わった後,膀胱前腔にドレーンチューブを留置し,尿道留置カテーテルもしくは膀胱瘻カテーテルを通して持続排尿させ,膀胱内腔を空虚に保つことが大切である。
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