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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科56巻4号

2002年03月発行

雑誌目次

増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル

企画・編集にあたって フリーアクセス

著者: 藤岡知昭

ページ範囲:P.7 - P.7

 増刊号「泌尿器科病棟管理マニュアル」は,7年ぶりの企画です。この間,泌尿器科も他領域同様,著しく進歩し,かつ多様化しております。したがいまして,本増刊号に記載された医療内容や方法が,日頃皆さんが各施設で行われていることと違っている点も少なくないと思われます。このことで,若い読者の皆さんは,困惑し不安を抱く場合もあるかもしれません。しかし,このような各施設間の違いは,経験上どちらでもかまわない場合が多く,その良否を論じるよりも,いずれかの方法に精通することが肝要であると考えます。多くの情報の中から読者自身で取捨選択し,evidence based medicineに基づいた自己流「泌尿器科病棟管理マニュアル」を作り出してほしいと思います。
 今回,本増刊号の企画・編集で配慮したのは以下の事柄です。

Ⅰ.泌尿器科病棟管理の基本

泌尿器科診療とインフォームド・コンセント

著者: 福井準之助

ページ範囲:P.11 - P.14

1 はじめに
 この10年間に悪性腫瘍患者,特に末期癌患者に対するインフォームド・コンセント(Informed Consent)は,「患者に正確な病名を告げる(告知:Truth Telling)」ことから,「患者にいかに分かりやすく病状を伝えて理解を得た上で,どのように患者を支援していくか(Informed Consent)」という質的な内容へと変遷してきた。また,告知内容を含めた医療情報の開示が求められる時代背景をも踏まえ,我々泌尿器科医は末期患者の「診断と治療の自己選択と決定を支援するコミュニケーションの場の設定」に対し,検討すべき時期にきていると考える。
 平成13年度に行われた東京都民2,159名の病名告知に関する調査では,医師に診てもらって「十分な説明があった」が65%に対して「説明はほとんどなかった」が5%存在した。癌などの病気になった場合,治る見込みがあるときの「病名告知を希望する」が87%認められたのに対し,「希望しない」は4%であり,治る見込みのないときの「病名告知を希望する」が64%あったのに対し,「希望しない」が13.2%を占めていた。

泌尿器科診療とクリニカルパス

著者: 野島道生 ,   島博基

ページ範囲:P.15 - P.20

1 クリニカルパスとは
 クリニカルパスはもともと1985年に米国ニューイングランド医療センターの看護婦Karen Zanderが,医師が行う医療行為の全体像をコメデイカルスタッフが理解し,効率よく医療行為に従事することを目指し考案した。その背景には米国では1983年にメディケア・メディケイドが高騰する医療費を抑制するためにDRG(診断群別疾病分類)の概念を導入したことがクリニカルパスの開発の契機となっている。1986年にはDRG/PPS(Diagnostic Related Groups/Prospective Payment System:診療行為別予見定額支払い方式)が導入され,クリニカルパスは主に医療費抑制の理由から広く普及した。DRG/PPSでは保険機構の医療機関に対する診療報酬の支払いが定額払いであるため,医療機関は経営上の理由から医師が行う検査を必要不可欠の項目に絞り込み,薬剤や診療材料のコスト低減と入院期間の可能な限りの短縮を目指した。このため診療過程の統一化が必要となりクリニカルパスの手法が必要不可欠となった。わが国においても医療費削減を目的としたDRG/PPSの導入が間近となり,泌尿器科診療に携わる我々もこのような医療制度改革の流れに対応して診療の合理化に取り組む必要に迫られているのが現状である。
 当初の名称であるクリティカルパスとは本来は製造業の工程管理の手法であり,基本的なパス概念は生産工程の作業の円滑化と効率化を通して生産性の向上を目指す手段である。

泌尿器科診療とリスクマネジメント

著者: 平尾佳彦

ページ範囲:P.21 - P.24

 泌尿器科領域疾患の一般的な診療における特色は,1)高齢者,2)カテーテリスム留置,3)複雑性尿路感染をはじめとする感染症,4)抗癌化学療法を受ける患者が多いことなどが挙げられる。一般的にわが国におけるハット・ヒヤリ事例を,厚生省の平成11年度医療技術評価総合研究事業「医療のリスクマネジメントシステム構築に関する研究」班の報告からみると,注射・点滴業務関係が31.4%と最も多く,次いで患者の転倒・転落(15.7%),与薬関係(12.9%),チューブ類の管理関係(6.3%)などが挙げられている1)。これらの頻度と泌尿器科入院患者の特色からみると,泌尿器科診療の対象には医療事故発生のハイリスク患者が多いことを示している。

Ⅱ.ベッドサイド検査の実際

尿検査・細菌学的検査

著者: 古畑誠之 ,   井川靖彦 ,   西沢理

ページ範囲:P.27 - P.30

尿検査
1 はじめに
 当院の病棟には遠心器と顕微鏡が常備されており,四六時中,採取尿を速やかに遠心沈殿させ鏡検を行うことができる。外来でも同様に採取された尿からの標本作成,鏡検はすべて医師の手によって行われている。施設によっては膨大な外来受診患者数のため,すべて検査技師に委ねているところも少なくない。しかし,尿検査所見には実際に診療を行っている者にしか見えてこない特有な所見が存在し,これを見逃さないためにも医師自らが検査を行うべきである。
 尿検査の病棟における特異性は少ないが,採尿方法や鏡検標本作成過程,尿検査所見から得られる臨床的な意義について述べる。

尿路感染症の分子生物学的検査

著者: 高橋康一 ,   村谷哲郎 ,   松本哲朗

ページ範囲:P.31 - P.37

1 はじめに
 近年泌尿器科領域においても癌や遺伝性疾患の発症機構の解明や治療に分子生物学的アプローチが広くなされてきている。また泌尿器科疾患に限らず感染症に関する分子生物学的検査の導入も進んできた。しかし検査結果の適切な把握には,その原理に就いての理解も必要となる。本稿では感染症における一般的な分子生物学的検査の原理を概説し,尿路性器感染症での検査の実際について述べる。

内分泌検査

著者: 布施秀樹 ,   太田昌一郎 ,   明石拓也

ページ範囲:P.38 - P.43

1 はじめに
 泌尿器科領域における内分泌疾患は間脳—下垂体—性腺系,間脳—下垂体—副腎皮質系,レニン—アンジオテンシン—アルドステロン系などにおける異常や副腎髄質,副甲状腺の疾患などがある。生体内では末梢内分泌腺のホルモン分泌が低下すれば,それに関連した上位内分泌腺よりのホルモン分泌は増大し,前者が増大すれば後者が抑制されるという共通のnegative feedback mechanismが作用している。したがって,内分泌疾患の診断には内分泌腺より分泌される血中ホルモン値やその代謝物の尿中濃度測定などに加えて,当該内分泌腺に特有な内分泌機構を理解したうえで必要に応じて適切な負荷試験などを施行する必要がある。ここでは,前述した泌尿器科領域で扱うことの多い内分泌疾患の検査法について実際面を中心として概説する。なお,正常値は主に当施設のものを記載した。

腎機能検査

著者: 宮嶋哲

ページ範囲:P.44 - P.48

1 はじめに
 腎機能検査の目的は,腎機能の程度を把握し,疾患の種類,性質,病変部位を特定することにある。また,腎機能の経過を観察することで腎障害の程度および予後をある程度推測することも可能である。疾患の進行や治療の効果によって腎機能は変化するので,随時検査をする必要がある。さらに術前検査として腎機能を評価する機会も少なくない。したがって,腎機能検査は患者に対して低侵襲で再現性があり,正確かつ簡便な方法であることが望ましい。腎機能検査は,腎全体の機能を把握する総腎機能検査と左右の腎機能を別個に評価する分腎機能検査に分類される。本稿では臨床的に泌尿器科医が行う頻度が高いものについて述べる。

腎生検

著者: 蓮井良浩

ページ範囲:P.49 - P.52

1 はじめに
 腎生検には経皮的腎生検と開放性腎生検があるが,1970年代後半にCTや超音波ガイドによる生検技術が実用化され,特に超音波ガイド下腎生検は穿刺針の位置を確認しながら安全にかつ確実に穿刺できることから,急速に普及したため,現在は開放性腎生検が行われることはほとんどなくなった。
 超音波ガイド下腎生検法の普及により,汎発性腎疾患である腎炎の診断は安全にまた確実に行えるようになったが,限局性腎腫瘍性疾患に対しての腎生検を1980年代から行う施設がみられるようになった。さらに,自動穿刺装置を用いた生検がTru-Cut針を用いた生検に取ってかわり,瞬時に安全に,しかも正確に組織採取が行われるようになったため,腎腫瘍性疾患への腎生検の適応が拡大されたように思われる。しかし,腎腫瘍に対する生検の是非についての議論に決着はいまだついていないのが現状である1〜4)

膀胱鏡検査・膀胱生検

著者: 伊勢田徳宏

ページ範囲:P.53 - P.56

1 はじめに
 泌尿器科医にとって下部尿路疾患の診断のためには膀胱鏡検査は必要不可欠な検査であり,泌尿器科医が初期研修で体得すべき手技の一つである。現在,よく用いられる膀胱鏡は硬性鏡と軟性鏡とに分類できる。どちらを用いるにせよ,内視鏡操作上必要な知識として,まず,用いる内視鏡そのものの特性をよく理解しておくこと,尿路についての生理学的・解剖学的知識や生化学的・薬理学的知識が要求されるもので,生理学的・解剖学的知識が十分でないのに,いたずらに興味のみが先走った内視鏡を行うと手痛い失敗を繰り返すことになる。以下,硬性鏡・軟性鏡につきそれぞれの特性,適応,手技,について順次述べる。

前立腺生検

著者: 牟田口和昭 ,   中本貴久

ページ範囲:P.57 - P.60

1 はじめに
 1980年代後半までは前立腺癌を発見する主な手段は直腸診(digital rectal examination,以下DRE)であったが,前立腺特異抗原(prostate specific antigen,以下PSA)の導入および普及,経直腸的超音波断層法(transrectal ultrasonography,以下TRUS)をはじめとする画像診断の進歩により,前立腺癌の診断率は飛躍的に向上した。最近細い生検針とbiopsy gunに連動した自動装置(BIOPTY GUN,バード社製)の開発により,手技に伴う疼痛が軽減したことで,無麻酔で経直腸的,あるいは局所麻酔で経会陰的に外来レベルでも可能となった。さらに予防的抗菌薬投与で合併症が減少し安全で患者の苦痛が低い方法として前立腺生検の基礎が確立された。1989年Hodgeら1)は6分割法による前立腺生検(six sextant biopsy)の概念を導入し,現在McNealの前立腺局所解剖に従った領域に基づいた系統的前立腺生検法(systematic prostate biopsy)が,日常の臨床に用いられるようになった。

精巣生検と精管精嚢造影の実際

著者: 馬場克幸 ,   岩本晃明

ページ範囲:P.61 - P.64

1 精巣生検について
1.はじめに
 挙児を希望するカップルの約10%が不妊であり,その50%が男性側に原因があるといわれており,近年,男性不妊症患者は増加傾向にある。その男性不妊の検査の一つとして,精巣生検は重要な位置を占める。生検の手技は局所麻酔または腰椎麻酔下で施行され,容易である。

KUB・X線造影

著者: 上田陽彦

ページ範囲:P.65 - P.68

1 はじめに
 本項では,泌尿器科疾患に対する最も基本的なX線診断である単純撮影,排泄性腎盂撮影,逆行性腎盂撮影について述べる。単純撮影は,X線診断上,最初に行われる検査であるが,1枚のフィルムからさまざまな情報が得られるきわめて大切な検査である。排泄性腎盂撮影や逆行性腎盂撮影は,造影剤を用いて尿路を鮮明に描出することができる。特に,前者では腎機能を左右別々に判断できるため,日常の外来診療に欠かすことができない検査である。

超音波検査法

著者: 秋山隆弘 ,   尾上篤志

ページ範囲:P.69 - P.73

1 はじめに
 超音波検査は非侵襲性の検査で機器の移動も可能なことからベッドサイド検査として最も多く用いられる検査法の一つである。その診断もBモード法による形態的診断にとどまらず,カラードプラ法を用いることで,血管内血流の評価も可能となった。さらに超音波診断用造影剤レボビスト®(シェーリング社)が臨床応用可能となり,超音波検査の分野でも造影検査が可能となった。レボビスト®とはガラクトース・パルミチン酸からなる混合物で,使用時注射用蒸留水に溶解することで平均径8μmのマイクロバブルが発生する。その造影効果はマイクロバブルが赤血球よりも反射強度が強いことを用いた造影カラードプラ法とマイクロバブルが歪んだり破壊されたりした時に発生するハーモニック成分を映像化する造影ハーモニック法(Bモード法とパワードプラ法)があり,これらの方法を用いることで血流検出感度を増強させたり,組織レベルでの毛細管血流を表示できるようになった。

排泄時膀胱尿道造影

著者: 宮永直人 ,   赤座英之

ページ範囲:P.74 - P.77

1 はじめに
 膀胱および尿道を造影するには排泄性のものと逆行性のものとがある。このうち排泄時膀胱尿道造影(VCUG)は成人および小児の下部尿路の解剖に加え,排尿生理を評価することができる検査法である。ただしVCUGは逆行性に比べて鮮明さに欠けることから,尿道の形態異常には逆行性造影が用いられることも多い。泌尿器科疾患がVCUG単独で診断されることは少なく,IVP,超音波検査,CTなどと併用されるが,膀胱尿管逆流症(VUR)などにおいてVCUGは必要不可欠な検査法である。本稿ではVCUGの手技と検査のポイントについて述べる。

尿失禁:鎖膀胱尿道造影・パッドテスト

著者: 島田誠

ページ範囲:P.78 - P.82

1 はじめに
 尿失禁はQOL疾患であり,わが国では受診率が極端に低く患者数が限られるが,社会的啓蒙が進んでいる現状より,今後急速に増加していくであろうことが予想される。
 ここでは尿失禁の診断においてもっとも基本的な検査である鎖膀胱尿道造影とパッドテストについてその手技と診断について解説する。鎖膀胱尿道造影は1953年にHodgkinsonによって紹介された方法であり,すでによく知られているが施設によってはその方法がまちまちである。簡単であるが異物を挿入する侵襲のある検査であり,熟知して正しく行われることが大切である。

ウロダイナミックス

著者: 谷口成実 ,   金子茂男

ページ範囲:P.83 - P.89

1 はじめに
 ウロダイナミックスとは,尿の運送の仕組みを明らかにする学問および検査を意味する。ここでは,その中の下部尿路の機能評価を中心に述べる。下部尿路における排尿,蓄尿機能の異常は,排尿困難,頻尿,尿失禁,尿意切迫感,残尿感という多彩な症状で表現される。また,その原因に脳脊髄疾患や末梢神経疾患のみならず,前立腺肥大症を含む下部尿路通過障害や,加齢による変化,服用中の薬剤,排尿習慣や神経疾患も加わる可能性がある。さらに,疾患によっては,脊髄損傷のように発症からの時期によって症状が移り変わる場合もある。そこで,個々のそれぞれの時期に応じた病態の把握が,診察および治療に必要であり,この手段の一つとして,ウロダイナミックスが用いられる。

勃起機能検査(NPT・血管造影)

著者: 永尾光一 ,   三浦一陽 ,   石井延久

ページ範囲:P.90 - P.94

1 はじめに
 勃起障害(ED)は性機能障害で来院する患者の9割を占め最も多い疾患で,「性交時に十分な勃起が得られないため,あるいは十分な勃起が維持できないため満足な性交が行えない状態」と定義されている。つまり,マスターベーションや別の女性と性交ができても妻やパートナーとできない状態も勃起障害と診断される。EDの程度は,完全型(常にできない),中等症(しばしばできない),軽症(たまにできない)に分けられ1998年の統計では完全型と中等症の合計が980万例であり軽症を含めるとそれ以上となる1)。また,2000年の一般市民意識調査では,既婚男性の30%がEDを自覚していると報告している。EDは機能性と器質性に分類され,機能性EDは,勃起機能は正常だが心理的要因によって勃起または勃起の維持が不十分な場合である。要因は仕事や家庭のストレス,不妊治療などで一度失敗したことで次回から失敗不安がつづき悪循環となる。診断は器質的なものを除外する。器質性EDは血管性,神経性,内分泌性,陰茎性などがあり,リスクファクターには心疾患,糖尿病,高血圧,高脂血症,神経障害(脊髄損傷,骨盤内手術後),喫煙,過度のアルコール,ストレス,薬剤などがあり最近では自転車のサドルによる長時間の陰部の圧迫が問題とされている。陰茎性には先天性陰茎彎曲症や陰茎硬化症(ペロニー病)などがある。その他に薬剤性などがあり,心理的なものやそれぞれの身体的問題が重複する場合も多い。

Ⅲ.ベッドサイド処置の実際

処置とインフォームド・コンセント

著者: 林祐太郎 ,   河合憲康 ,   橋本良博

ページ範囲:P.97 - P.100

1 はじめに
1.インフォームド・コンセントとは?
 医療におけるインフォームド・コンセントというのは,医師が患者にその病状をよく説明し,それに応じた検査や治療について十分な情報を提供し,患者はそれを十分に理解し承諾したうえで,誰にも強制されない自由な立場で検査や治療法を選びとり,その同意に基づいて医師が医療を行う,といった医療上での原則を意味する。

腎穿刺・経皮的腎造影・腎瘻造設術

著者: 秦野直

ページ範囲:P.101 - P.107

1 はじめに
 腎は血流の豊富な組織である。したがって安易な気持ちで腎を穿刺すると時に重大な合併症をきたす。穿刺により得られるメリット(診断・治療効果),穿刺による危険性などを勘案して施行するか否かを決定する。穿刺を安全かつ確実に行うためには,腎および周囲組織の解剖を熟知したうえで注意深い操作が必要である。腎穿刺が侵襲のある手技であることを常に認識しておこくとも大切である。一般の手術書では施行の方法しか記載されていないことが多い。しかし腎穿刺ではしばしば予期せぬ事態が発生する。このようなとき応用がきくように本稿ではできる限り操作の理論的裏づけを記すことにした。

膀胱穿刺・膀胱瘻造設術

著者: 井口裕樹 ,   那須保友

ページ範囲:P.108 - P.111

1 はじめに
 膀胱穿刺・膀胱瘻造設は尿閉または尿路通過障害のために緊急で行わなければならないことが多い手技である。他科からの依頼により往診で行うことも多い。以下にその実際について述べる。

陰嚢穿刺

著者: 松浦健

ページ範囲:P.112 - P.116

1 はじめに
 陰嚢穿刺は,陰嚢水瘤(精巣水瘤)の排液目的などで外来処置として時に行われることがあるが,病棟で行われるのは他科入院患者のコンサルテーション時などに限られると思われる。しかし,泌尿器科医として陰嚢内容の発生,解剖,疾患に関する基礎知識とともに,陰嚢穿刺の目的,適応,手技,注意点を理解しておかなければならない。

尿管ステント逆行性留置・抜去方法

著者: 八木静男 ,   中川昌之

ページ範囲:P.117 - P.123

1 はじめに
 泌尿器科疾患あるいは周辺臓器の病変によって上部尿路の閉塞をきたした場合には,一次的あるいは永久的に尿路のドレナージが必要となる。尿管ステントは尿流を確保する目的で腎盂と膀胱の間に留置されるもので,19世紀から既に使用されていた。上部尿路における尿流障害に対する対処法として,経皮的腎造瘻術(PNS)と並んで選択される治療法であるが,migration(ステントの位置異常)やencrustation(尿中の結晶成分や有機物が付着すること)などによりドレナージ不良を起こすなどの問題点があった。
 1970年代後半頃からdouble Jタイプのステントが開発され,位置異常の防止に関しては大きな進歩がみられた。しかし,依然として留置後一定期間が過ぎると内腔の閉塞やステント周囲のencrustationにより尿流障害が起こり,腎盂腎炎を起こすケースも稀ではなく,メーカー表示の耐用期間(6〜12か月)を問題なく経過するケースは少ない。われわれは通常2〜3か月ごとに交換を行っているが,1か月ごとの交換が必要なケースもしばしば経験する。また,適正な位置に留置されたとしても原因病態によってはドレナージ不良のために結局PNSが必要になるケースも存在する。

抗菌薬の選択法

著者: 石原哲 ,   出口隆

ページ範囲:P.124 - P.128

1 はじめに
 抗菌薬の使用は病原細菌の死滅を目的とするものであるが,一方では耐性菌の選択や出現を促す第一歩でもある。安易な抗菌薬の選択は,抗菌化学療法の失敗とともに,耐性菌蔓延にもつながることを念頭に置かねばならない。本増刊号のテーマは病棟管理であるが,この点で院内感染対策上,尿路感染症は重要な位置を占めていることもふまえて概説する。

洗浄法

著者: 野村芳雄

ページ範囲:P.129 - P.133

1 はじめに
 泌尿器科領域の診療では病棟はもとより外来においても,あらかじめ尿路に留置されたカテーテルを利用し,あるいは改めてカテーテルを留置し尿路の洗浄操作を行う機会が多く,泌尿器科医にとっては最も基本的な診療技術となっている。洗浄操作そのものは単純で特殊な手技を必要とはしないが,いくつかの注意点や操作のポイントがあり,本稿では尿路洗浄法の目的や適応,手順,処置の実際などについて概説する。

尿道鏡・尿管鏡・尿道拡張

著者: 松岡啓

ページ範囲:P.134 - P.137

1 はじめに
 泌尿器科において尿路疾患に対する内視鏡的診断と治療の占める割合は高く,内視鏡操作は泌尿器科医にとりますます重要な手技となっている。尿道鏡は膀胱尿道鏡として使用され,硬性鏡に加えて軟性鏡が使用可能になったことより検査に伴う痛みも軽減した。尿管鏡においても,硬性鏡に限らず軟性鏡でも細径化が進み,さらに十分な鉗子口を有するので尿管鏡による検査・治療も低侵襲操作となり使用頻度も高い1)
 尿道拡張操作は,内視鏡操作の前段階として,また尿道狭窄の治療手段として施行されるが,容易に尿道損傷をきたすので拡張操作には習熟する必要がある。

褥瘡の管理

著者: 高島三洋 ,   並木幹夫 ,   真田弘美

ページ範囲:P.139 - P.143

1 はじめに
 創傷はその発生原因によって1)事故などによって発生する外傷性創傷,2)手術によって発生する医原性創傷,3)疾病などで組織への血流・栄養障害をきたすことによって発生する慢性創傷に分けられる。褥瘡は慢性創傷に分類されるが,他の創傷とは違い,一般的な創傷処置を行っても,その原因である血流・栄養障害が改善されなければなかなか治癒にはいたらない。
 またわが国は高齢化社会を迎えつつある。西暦2010年には65歳以上の人口が総人口の4分の1占めるであろうと予測され,寝たきり状態の人が170万人,さらにその5〜10人に1人が褥瘡を発生させるであろうと予測されている1)

自己導尿とストーマケア

著者: 岡村武彦

ページ範囲:P.145 - P.151

1 はじめに
 自己導尿の指導は本来外来レベルで時間をかければ十分行われるものであるが,高齢者や,理解力の乏しい場合,また,女性患者には指導に十分な時間が必要であり,入院したうえで指導したほうが満足のいく結果となることが多い。また,ストーマケアについても,代用膀胱などの尿禁制型ストーマを作成した場合,その指導は自己導尿の指導に順ずるため,同様の管理マニュアルを作成し,それに従って指導することとなる。
 一方,回腸導管に代表される種々のストーマケアについては,個々の患者の状態に合わせた指導が要求され,最近一般化されつつあるクリティカルパスの導入は難しいところである。

尿道カテーテル留置・尿閉

著者: 高橋信好 ,   山内崇生 ,   神村典孝 ,   古家琢也 ,   鈴木唯司

ページ範囲:P.152 - P.155

1 はじめに
 尿道カテーテル法は日常臨床の場で各診療科で頻回に行われている基本手技であり,一見容易に思われがちであるが,合併症の危険も少なくないことより基本手技を十分習得しておく必要がある。
 泌尿器科医は,他科の医師や看護婦が挿入不可で患者が尿閉,すなわち膀胱の緊満により苦痛を訴えており,緊急の対応が求められる症例や膀胱,前立腺の手術後に,留置カテーテルが自然抜去された症例にしばしば遭遇する。

気管内挿管・硬膜外麻酔の管理

著者: 岡本知士

ページ範囲:P.156 - P.160

1 はじめに
 気道確保は生命維持に最も重要な事柄の一つであり,迅速性,安全性,確実性において気管内挿管が最も有用な手段である。泌尿器科医が病棟で施行する気管内挿管の頻度は呼吸器科医,循環器科医,脳神経科医に比較して高頻度ではないが,気管内挿管の適応は緊急または準緊急であり,泌尿器科医を含むすべての医師が研修早期にその基本知識と基本手技を身につける必要がある。
 一方,硬膜外麻酔法は,手術・検査時の麻酔や,術後疼痛,頻発結石疝痛および癌性疼痛などの管理に有用であり,泌尿器科病棟医もこの方法に精通する必要がある。しかし,緊急または準緊急硬膜外麻酔の適応は皆無であり,熟練者の指導下に経験を集積すべきである。

癌化学療法・PBSCT(自家末梢血幹細胞移植)・静脈炎

著者: 若月俊二 ,   冨田善彦

ページ範囲:P.161 - P.167

1 はじめに
 泌尿器科腫瘍は近年,前立腺癌や精巣腫瘍などのホルモン依存性の腫瘍をはじめ,外因性内分泌撹乱物質の影響もあり,軒並み増加傾向にある。精巣腫瘍など,若年層に多発する癌腫ではいまだ市民の啓発も不十分で,far advanced stageで医療機関を訪れる症例も少なくない。膀胱腫瘍ではneoadjuvant settingとしての抗癌化学療法(癌化学療法と略す)の他に,従来では膀胱全摘除術の適応であった症例でも社会的に臓器温存を目指して集学的治療も行う必要があり,術前の癌化学療法は不可欠な治療となっている。そこで,本稿では精巣腫瘍・膀胱腫瘍に対する癌化学療法について当科での治療の実際と,特に精巣腫瘍ではfar advanced stageに対する自家末梢血幹細胞移植併用の高用量化学療法について,また癌化学療法に伴う静脈炎について述べる。

高齢者の痴呆(psycho-urology)

著者: 野口満 ,   金武洋

ページ範囲:P.168 - P.172

1 はじめに
 泌尿器科領域においては,もともと高齢者の占める割合が高いのであるが,近年の平均寿命の延長に伴いさらにその割合は増加している。年齢と痴呆の発症とには密接な関係があることから,当然,痴呆症をもつ高齢者泌尿器科疾患患者も多くなっている。高齢社会と医療の進歩により高齢者に対する手術適応は拡大され,高齢者の周術期には「不穏」,「惚け」,「錯乱」,「せん妄」などと表現される精神症状が出現し,日常の臨床の場において多くの問題が生じることはどなたも経験していると思われる。痴呆性疾患に罹患しやすい75歳以上の後期高齢者は2020年には全人口の13.4%に達すると推測されている。このことから,今後さらに痴呆症をもつ高齢者の泌尿器科疾患患者の増加が予想される。医療事故の問題が頻繁に取りざたされている今日,痴呆症のある高齢者においては,よりこまかな治療計画のもと高いレベルの医療が要求される。

ターミナルケア

著者: 小松原秀一

ページ範囲:P.173 - P.177

1 はじめに
 がんの末期とは生命予後が6か月以内で,積極的ながん治療の行われない時期と考えられている1)。緩和的医療はそのような末期がん患者のためだけではなく,がん病巣に対する治療を受けている患者にとっても必要なものであるが,ターミナルケアには疼痛の管理が特に重要な位置を占めることから,本稿ではWHO方式がん疼痛治療法(WHO1986)2)に沿った鎮痛治療を主題とした。

Ⅳ.ベッドサイドトラブル対処法

発熱

著者: 鬼塚史朗 ,   合谷信行

ページ範囲:P.181 - P.185

1 はじめに
 発熱は疾病に伴う症状のうち高頻度なものの一つで,原疾患の鑑別診断が重要なものである。また病棟の入院患者に発熱を認めることは日常的なことであり,対処に臨床医としての力量が問われることが多い。発熱の原因として最も考えられるものは感染症であり,感染部位,感染菌の同定が重要である。原因がわからない場合頻度の多い疾患から検索していき,疑われる原因は除去し消去法で考えることも一案であり,発熱様式が診断に有用な場合もある。以下に手術,検査入院時や特殊な病態での発熱の原因として考えられる疾患,対処法を述べる。

創感染・創哆開

著者: 清田浩

ページ範囲:P.186 - P.191

1 はじめに
 泌尿器科領域の手術法は,従来行われてきた経尿道的前立腺あるいは膀胱腫瘍切除術に加え,1980年代に登場した経皮的腎結石破砕術,経尿道的尿管結石破砕術,そして体外衝撃波結石破砕術により尿路結石に対する開腹手術がほとんど行われなくなった。さらに1990年代後半から普及しつつある腹腔鏡あるいは後腹膜腔鏡下での副腎,腎,あるいは前立腺の摘除術などにより,開腹手術自体が減少しつつあり,術後の創感染・創哆開の様相も変化しつつある。最近では,膀胱全摘除術と回腸導管造設術までもが腹腔鏡下で行う報告まで出現し,今後ますます泌尿器科領域では開腹手術後の術後創感染・創哆開は問題にならなくなることが予想される。
 本稿では,現在も一般的に行われている開腹手術の術後創感染・創哆開について概説し,その予防法については米国疾病予防センター(CDC)の手術部位感染防止ガイドライン(1999)1)を中心に述べてみたい。このガイドラインによると,術後の手術部位感染(surgical site infection;以下SSI)には,切開部表層(皮膚または皮下組織)のSSI,切開部深層(筋膜および筋層)のSSI,そして手術時に開いたかまたは触れた臓器あるいは腔のSSIの3種に分類される。本稿では前2者について述べる。

泌尿器科手術後のイレウス

著者: 野田賢治郎 ,   伊藤貴章

ページ範囲:P.192 - P.196

1 はじめに
 術後の急性腹症としてイレウス,出血,急性胃拡張,胃・十二指腸潰瘍などが挙げられる。そのうち,腹痛に加え嘔吐,排便・排ガスの停止,腹部膨満があればイレウスをまず疑う。イレウスとは何らかの原因によって腸管内容の通過が不可能となり腸管が拡張した状態と定義される。泌尿器科領域の術後合併症としてそれほど頻度の高いものではないが1),診断・処置の遅れが重篤化をきたす重要な術後合併症である。

泌尿器科手術後の腹膜炎・腸管縫合不全

著者: 吉田正貴

ページ範囲:P.197 - P.201

1 はじめに
 泌尿器科手術後の腹膜炎や腸管縫合不全は頻度的にそう多くはない。しかしいったん発症すると重篤になり,場合によっては生命をも脅かす結果となることもあり,緊急に対処する必要がある重要な合併症である。術後比較的早期の腸管縫合不全よる消化管瘻の頻度は1.1〜5.4%と報告されている。腸管縫合不全は症状としては急性腹膜炎としての症状を呈することが多く,急性腹膜炎の症状・診断については十分な理解と対処法を身につけておくことが必要である。急性腹膜炎は腹腔全体に炎症が波及する汎発性腹膜炎と,大網,小網や腹腔内臓器に囲まれて炎症が局所に限局する限局性腹膜炎に分類される。

膀胱タンポナーデ

著者: 永田幹男

ページ範囲:P.202 - P.205

1 はじめに
 日常診療で遭遇する膀胱タンポナーデは尿路からの急激な出血によりできた凝血塊が膀胱にとどまるため排尿ができず,下腹部膨満,膀胱緊満,激しい疼痛と尿意を伴う。治療は凝血塊をつくるほどの出血をしている全身の管理と凝血塊による尿閉からできるだけ早く開放して苦痛を取り除くことである。さらに尿閉は改善されても血尿が続いて,再びタンポナーデを起こす可能性があり,血尿の原因検索と治療を行わなければならない。

尿漏

著者: 平野敦之 ,   新家俊明

ページ範囲:P.206 - P.210

1 はじめに
 尿漏(urinary leakage)は尿路あるいは再建された尿路より,尿が体腔内,体外に漏出した状態である。その原因として尿路,近接臓器などの感染症,尿の通過障害,外傷,手術操作(検査)時の損傷,手術後の吻合不全および悪性腫瘍の浸潤による組織障害などが挙げられる。病棟での管理として重要な病態は,尿路の手術後の合併症として生じるものであり,本稿では泌尿器科手術に伴う尿漏を中心に述べる。

呼吸不全(無気肺・気胸・肺塞栓)

著者: 根本良介

ページ範囲:P.211 - P.215

1 はじめに
 泌尿器科医がベッドサイドで遭遇する呼吸不全の原因のほとんどは術後合併症である。その要因として,術中術後の体位,術後の疼痛あるいは直接の手術侵襲による呼吸機能の低下,全身麻酔での人工呼吸,麻酔薬の作用が挙げられる。患者側の因子として,長期臥床,高齢,肥満,糖尿病,腎機能の低下,肝機能の低下,喫煙,低肺機能,低アルブミン血症があり,胃カテーテルの留置時には,誤嚥性肺炎の合併にも注意が必要である。以下,肺合併症として頻度が高い無気肺,気胸,急性肺塞栓(以下,肺塞栓)について述べる。

循環障害(高血圧・低血圧・心不全)

著者: 岸浩史 ,   井川幹夫

ページ範囲:P.216 - P.220

1 はじめに
 高齢者には種々の循環器合併症を有するものが多く,また無症状でも循環器予備能が低下している場合も多い。泌尿器科病棟では高齢患者の占める割合が高いため,循環障害を有する患者への対応が必要となることも稀ではない。本稿では循環障害のうち高血圧,低血圧,心不全の3つの病態について述べる。

消化管出血

著者: 宮崎薫 ,   酒井健二 ,   山口秋人

ページ範囲:P.221 - P.223

1 はじめに
 泌尿器科の入院患者は高齢者が多いため,合併疾患の初期対応や治療によっては,重篤になる可能性がある。そのなかで消化管出血についても,対処を誤ると,循環系に影響を及ぼし,新たな併発症を起こしうる。また,消化管出血をきたした原疾患の治療にも長期を要したり,もともとの泌尿器科疾患の治療が遅れたりすることで,入院期間が長期になる傾向にある。したがって,消化管出血を起こしやすいhigh riskグループでは,入院当初より注意深く対処する必要がある。
 以上のことを踏まえ,入院患者における消化管出血に対する初期治療,注意点などについて述べる。

リンパ漏・リンパ嚢腫

著者: 土田昌弘 ,   内藤克輔

ページ範囲:P.224 - P.228

1 はじめに
 リンパ漏は外科手術などにより損傷を受けたリンパ管からリンパ液が漏れることをいい,リンパ嚢腫とはリンパ漏が嚢腫状に貯留した状態で,その内側に上皮がないものと定義される。通常,リンパ液は腹膜表面から吸収されるため経腹膜的手術の後に発生することは稀で,多くの場合,骨盤内臓器手術の後に発生する。

CAPDの合併症

著者: 丹治進

ページ範囲:P.229 - P.233

1 はじめに
 CAPDで導入される透析患者数は全国で年間約1,200名を数えるが,CAPDの総患者数は1997年をピークに増加がなく,2000年末の時点では慢性透析患者206,134名中8,650名(4.2%)に留まっている1)。これは,合併症や透析能低下によりCAPDを離脱する患者が年間約10%以上みられることによる。また,生命予後面からも,CAPDは中長期には予後効果が著しく低下する。すなわち,現行のCAPD療法は長期透析療法としては何らかの不合理性を有し,かつ,その対策がいまだ十分に図られていないことを表している。このためCAPD治療を継続させるには,治療法のさらなる改良を図る一方で,個々の患者において合併症対策を綿密に行うことが必須となる。CAPDの合併症を表1に示す。この中で比較的ルーチンに遭遇するのは腹膜炎やPDカテーテル関連の感染症である。また,硬化性被膿性腹膜炎対策も最近重要視されている。ここでは,表1の1.〜3.についての治療の概略と要点を示すが,他の合併症については紙面の制限上割愛する。

各種カテーテルトラブル

著者: 久保田洋子 ,   中田瑛浩

ページ範囲:P.234 - P.238

1 はじめに
 泌尿器科では尿路用カテーテル以外に透析用の血管留置カテーテル,CAPDカテーテルなども扱うが,ここでは使用される頻度が高いものから,膀胱留置カテーテル,腎瘻カテーテルについてのみ解説する。
 膀胱留置または腎瘻カテーテルのトラブルでは次のようなものが挙げられる。

嵌頓包茎

著者: 飯沼昌宏 ,   羽渕友則

ページ範囲:P.240 - P.241

1 はじめに
 嵌頓包茎とは,包皮輪が亀頭サイズより小さいため,翻転した包皮がもとに戻らなくなった状態を呼ぶ1)

院内感染

著者: 田中一志 ,   岡田弘 ,   守殿貞夫

ページ範囲:P.242 - P.246

1 はじめに
 院内感染にはさまざまなタイプがある。MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)や多剤高度耐性緑膿菌のようにもともと院内で発生し,伝播されるもの,手術創など宿主の生体防御機構の障害のため感染が起こるもの,はしかやインフルエンザのように感染性の強い病原体による市中感染が持ち込まれて集団生活の場である病院内で広がるもの,HBV, HCV, HIVのように血液,体液などで汚染された針や器具,製剤による感染などが挙げられる。通常患者にみられた感染症を指す場合が多いが,針刺し事故による感染のように医療従事者が感染した場合も含まれる。
 入院前に感染し,潜伏期間中に入院したような場合は入院中に発症した感染症でも院内感染には含めない。感染の起こった場所が医療機関内であるかどうかに重点が置かれている。感染症のなかには潜伏期の長いものもあるが,一般細菌による感染症は通常48時間以内に症状を出すことが多いので,入院3日目以後に発症したものを院内感染と判断する場合が多い。逆に,入院中に感染し,退院後発症したものは市中で発症しても院内感染である。

Ⅴ.術前・術後1週間の患者管理

ESWL・TUL・PNL

著者: 太田信隆

ページ範囲:P.249 - P.254

1 はじめに
 今日,尿路結石の治療の大部分はESWLにより行われるが,ESWL非適応例は少なからずみられ,これらはTUL, PNLにより治療されている。ESWLは外来で行われることが多く治療が容易であることから気楽に治療を行い非適応例を見落としたり,合併症の早期発見が行われていない可能性もある。ここではより安全な治療を行うための,病棟主治医としての治療前後のチェックポイントについて述べる。

腎摘除術・腎部分摘除術・腎尿管全摘術

著者: 大家基嗣

ページ範囲:P.255 - P.259

1 はじめに
 腎細胞癌の標準的術式である根治的腎摘除術および腎部分摘除術,上部尿路腫瘍に対する標準的術式である腎尿管全摘術の周術期管理について述べる。術前の管理においては病期の把握に加え,個々の患者のリスクを的確に把握し,術式の侵襲度と照合する必要がある。術式特有の合併症を常に念頭におき,発生した場合は速やかに対処することが要求される。

腎移植術

著者: 白木良一 ,   星長清隆

ページ範囲:P.260 - P.266

1 はじめに
 腎移植における術前後管理は一般の外科手術に加え,患者が透析を必要とする慢性腎不全であり種々の合併症を伴うことが多く,術後は拒絶反応や無尿期間に対する対処,感染症に対する予防,免疫抑制剤の副作用対策など,移植に特異的な周術期管理が必要である。また,術後の体液バランス調節が移植腎機能に依存するという特殊な状況にあるため,透析を含めた術後の輸液療法などには細心の注意が必要である。
 同じ腎移植術でも,移植腎が生体腎と献腎では周術期の管理および状況が著しく異なる。生体腎では術前に安全確認のためのワークアップに十分な時間的余裕があり,術後も一般的にはほぼ全例で利尿が得られるのに対し,心停止ドナーからの献腎移植では手術前には時間的な制約があり,適応の決定が困難な場合も多い。また,術後は約80%の症例で急性尿細管壊死(遅延型腎機能発現:delayed graft function)による無尿期間を伴い,透析離脱までに平均約13日間を要する1)。その上,レシピエント選択基準の上位に待機期間があるため,昨今では高齢かつ長期透析患者が選択される場合が増加している。これらハイリスク・レシピエントに対し,腎移植術後に血液透析を施行しつつ術後管理を行うため,様々な合併症,特に循環動態などには十分留意する必要がある。

副腎摘除術

著者: 川喜田睦司 ,   大口尚基 ,   室田卓之 ,   松田公志

ページ範囲:P.267 - P.274

1 はじめに
 副腎手術の術前後の管理には,副腎の内分泌学的特徴を十分に理解しておくことが必要である。とくに褐色細胞腫とクッシング症候群においては管理を誤ると重大な事態を引き起こす危険性がある。すなわちカテコラミンとコルチゾールの生理学的作用を理解せずに手術に臨んではならない。また,副腎へのアプローチには鏡視下手術と開創手術があり,それぞれ経腹膜的,後腹膜的到達法と,開創手術には開胸を併用した方法があって,アプローチの違いによって多様な術後管理が要求される。

新膀胱形成術

著者: 瀬島健裕 ,   宮川征男

ページ範囲:P.276 - P.280

1 はじめに
 膀胱癌に対する膀胱全摘除術に伴う尿路再建術は歴史とともにさまざまな変遷を経てきている。腸管を使用する尿路再建術は,既に歴史的に十分な経験が蓄積された"Brickerの手術"1)として普及した回腸導管造設術をはじめ種々の手術法が考案されてきたが,現在では術後のQOLを重視した新膀胱形成術が広く行われるようになってきた。この新膀胱形成術はQOL,美容上からもまさに理想的な尿路再建術であるが,他の尿路再建に比し,回腸もしくは結腸を広範囲に使用し,手術手技も複雑であり,手術時間も長い。よって種々の合併症にも十分に注意する必要がある。侵襲が大きな手術に共通する呼吸循環系の合併症や,腸管の切開,縫合に起因するイレウス,縫合不全などの比較的早期の合併症に加え,排尿障害,尿失禁,水腎症など比較的晩期の合併症など,さまざまな合併症の危険性をはらんでいる。これらの合併症を回避し,真の意味での術後のQOL向上を目指すためには,手術手技のみならず術前,術中,術後にわたり細かな管理ケアが必要であることは言うまでもない。本稿では当科で行っている新膀胱形成術における術前,術中,術後の管理法について言及したい。

尿路変向術

著者: 笠岡良信 ,   筧善行

ページ範囲:P.281 - P.287

1 はじめに
 尿路変向術は通常膀胱全摘除術や骨盤内臓全摘除術などに伴って施行される。したがって尿路変向に伴う合併症とともに根治術に伴う合併症の発生頻度も相対的に高く,周術期の管理は細心の注意が必要になる。この稿では永久尿路変向術として頻度の高い尿管皮膚瘻術および回腸導管造設術,インディアナパウチなどの結腸・回腸利用非失禁型尿路変向術(continent urinary reservoir:CUR)患者の周術期管理について解説する。

尿失禁の手術(膀胱頸部挙上術)

著者: 平岡保紀 ,   清水有二 ,   高橋洋文 ,   鈴木康友

ページ範囲:P.288 - P.291

1 はじめに
 尿失禁には腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁(反射性尿失禁を含む),溢流性尿失禁,尿道外尿失禁,機能的尿失禁,夜尿症に分類されるが,ここでは女性の腹圧性尿失禁に対する手術療法として膀胱頸部挙上術について解説する。女性の腹圧性尿失禁には膀胱頸部の下垂が軽度のタイプI,下垂が高度のタイプIIと,内因性尿道括約筋機能不全のタイプIIIに分類される。腹圧性尿失禁の診断は問診,パッドテスト,膀胱造影(チェーン膀胱造影)やウロダイナミクス検査などが行われる。
 膀胱頸部挙上術には到達経路から経腹的手術(Marshall Marchetti-Kranz法,Burch法—この術式を最近では腹腹鏡下でも行われている)と経腟的手術(Stamey法,Raz法,Gittes法),さらに尿道スリング手術[腹直筋筋膜,TVT(Tensionfree Vaginal Tape)とその他の人工材料]がある。経腟的手術は軽度のタイプIを中心に行われ,重度のタイプIIと内因性尿道括約筋機能不全のタイプIIIには尿道スリング手術や経腹的手術が選択されることが多い。

骨盤内手術(膀胱全摘除術・前立腺全摘除術)

著者: 中原満 ,   石光広 ,   望月英樹 ,   森山浩之

ページ範囲:P.293 - P.298

1 はじめに
 膀胱全摘除術は浸潤性膀胱癌に対する根治的手術術式,前立腺全摘除術は前立腺に限局した早期前立腺癌に対する根治的手術術式である。どちらの手術もdorsal venous complexの処置が必要で,bunching techniqueなどの工夫により,大量出血をきたすことは減少したがいまだに比較的出血の多い手術である。また後方では直腸との間を剥離するために直腸損傷の可能性があり,また摘除術後に前者では尿路変向術が,後者では膀胱尿道吻合術による尿路再建が必要で,術後には尿路変向に伴うストーマの出現ないし排尿状態が大きく変化することで,精神的な負担も大きい。術前の正確な病期診断と全身状態の把握による手術適応の選択,解剖に基づく正確な手術と周術期の注意深い管理および精神的ケアが大切な手術である。しかし,前立腺全摘除術では腹膜外手術で手術時間も比較的短いのに対して膀胱全摘除術は多くは腸管を利用した尿路変向術を伴うために長時間を要し,腸管の切断,吻合など腹腔内処置が必要なことが大きく異なる。ここでは膀胱全摘除術(回腸導管造設術を想定)と前立腺全摘除術についての術前・術後の管理についてそれぞれ述べる。

体腔鏡下手術

著者: 岩村正嗣

ページ範囲:P.299 - P.304

1 はじめに
 泌尿器科領域における体腔鏡下手術の歴史は外科,婦人科などに比べると浅く,保険適応疾患も良性疾患に対する副腎摘除術,腎摘除術,精巣摘除術そして精巣静脈瘤根治術のみであり,まだまだ少ないといわざるを得ない。このため泌尿器科医にとっての修練の機会が少なく,熟練した腹腔鏡手術医が育ちにくく,本来体腔鏡手術の適応疾患であっても開放手術で行っている施設が多いのが現状である1)。しかし,今や副腎摘除術や腎摘除術などは体腔鏡下手術が標準術式とさえ言われ,また一定の技術を習得した医師が存在する施設においては適応疾患を広げる努力がなされており,泌尿器科医であれば体腔鏡下手術の重要性を真剣に考えなければならない時期が到来したと思われる。
 体腔鏡下手術には腹腔を経由する腹腔鏡下手術と,後腹膜腔を拡張して操作を行う後腹膜腔鏡下手術の2種類に大別される。それぞれの術式や適応疾患,利点・欠点などは他書に譲り,本稿ではその管理法についてのみ述べる。また,炭酸ガスによる気腹下で行うものと,気腹を用いない吊り上げ法により手術を行う方法があるが,本稿では前者についてのみ解説する。さらに副腎摘除後のホルモン補充療法など疾患特異的な管理法などについても他書を参考にされたい。

腎盂形成術

著者: 河内明宏 ,   三木恒治

ページ範囲:P.305 - P.309

1 はじめに
 近年の内視鏡手術の進歩により,成人や年長児の腎盂尿管移行部狭窄症に対しては経尿道的腎盂切開術,経皮的腎盂切開術および鏡視下腎盂形成術などの手技が低侵襲治療法として行われており,当科においても症例によっては第1選択となっている。一方,腎盂形成術は長い歴史がある安定した術式で,乳幼児に対しては現在も標準的な術式である1)。この腎盂形成術には大きく分けて腎盂と尿管を切離するdismembered法と切離しないnon-dismenbered法がある。以下に,これらの手術施行時の術前術後管理につき術式ごとのポイントを概説する。

膀胱尿管逆流症防止術

著者: 近田龍一郎 ,   坂井清英

ページ範囲:P.310 - P.316

1 はじめに
 超音波検査で水腎として発見され,その後の精査で膀胱尿管逆流症(vesicoureteral reflux,以下VUR)と判明する症例が著増してきているが,VURの発見の動機としては尿路感染が最も多いのは以前から大きな変化はない。RN Forum Japanによる1歳未満VUR症例の検討では,VUR発見の契機は85%が有熱性尿路感染症で6%が胎児超音波検査により水腎を呈した症例であった。1〜15歳では有熱性尿路感染が68.7%とやはり多いが,次に多いのが切迫尿失禁や夜尿などの排尿異常であり,他には下部尿路感染症(膀胱炎),学校検尿などでの異常となり,乳児期の症例とは異なった様相を呈する。
 VURは排尿時膀胱尿道造影(voiding cystourethrography:VCUG)にて診断されるが,合併する他の疾患(後部尿道弁,前部尿道憩室,神経因性膀胱など)の鑑別のためにも排尿時の撮影は必須である(図1)。VURの程度はgrade 1から5に分類(国際分類)される。VURのgradeは加齢とともに改善する傾向が強く,1歳未満ではgrade 4以上のVURが約70%であるのに対して,1〜15歳ではgrade 3以下が73%を占める。

尿道下裂に対する尿道形成術

著者: 島田憲次 ,   松本富美 ,   原田泰規 ,   内藤泰行

ページ範囲:P.317 - P.322

1 はじめに
 尿道下裂は外尿道口が本来の亀頭部先端ではなく,それより近位の陰茎あるいは陰嚢,会陰部に開口する先天性尿道形成不全である。尿道下裂に対する手術法ほどこの20年間に変遷を遂げたものはなく,最近では一期的尿道形成術が一般的に加えられるようになった。20年以上も前に尿道下裂患者の受け持ちをしていた頃には,術後の出血や陰茎の腫脹,そして瘻孔や狭窄などの合併症に泣かされたものであるが,最近では受け持ちとなる若手の医師にその頃の話をしても全く実感が沸かないようで,術後に輸血をしたことがあるなどと言っても信じてもらえない時代になった。
 尿道下裂はいまだに小児泌尿器科の中でも最も経験と技術を必要とする手術であり,その成功,不成功のほとんどは手術そのものにかかっていると言わざるを得ないが,同時に周術期の管理も成功を支える要素の一つであることに変わりはない。ここでは尿道下裂患者の病棟管理指針を紹介するが,これを読まれる読者は本疾患に対する手術法が各施設でそれぞれ違いがあり,また術前・術後の管理にも大きな差があることをまず知っておいていただきたい。

陰嚢内手術

著者: 五十嵐辰男

ページ範囲:P.323 - P.327

1 はじめに
 陰嚢内臓器は精巣,精巣上体,精索から構成される。陰嚢内手術はこれらの臓器を対象とし,摘出術,形成術などが行われる(表1)。陰嚢内手術は比較的低侵襲であり,術後の回復も早いので,クリニカルパスを作成しやすい。陰嚢内手術で注意すべきことは術後出血による陰嚢内血腫形成と,術創の感染である。陰嚢は伸展性に富むのでoozingが遷延しやすく,意外と大きな大きな血腫ができやすいからである。したがって術中に正確な止血操作を行うのはもちろんであるが,術後観察も重要である。本稿では鼠径部から陰嚢の範囲における陰嚢内手術を念頭におき,その周術期の患者管理について記す。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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