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増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル Ⅴ.術前・術後1週間の患者管理
尿失禁の手術(膀胱頸部挙上術)
著者: 平岡保紀1 清水有二1 高橋洋文1 鈴木康友1
所属機関: 1日本医科大学附属多摩永山病院泌尿器科
ページ範囲:P.288 - P.291
文献購入ページに移動尿失禁には腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁(反射性尿失禁を含む),溢流性尿失禁,尿道外尿失禁,機能的尿失禁,夜尿症に分類されるが,ここでは女性の腹圧性尿失禁に対する手術療法として膀胱頸部挙上術について解説する。女性の腹圧性尿失禁には膀胱頸部の下垂が軽度のタイプI,下垂が高度のタイプIIと,内因性尿道括約筋機能不全のタイプIIIに分類される。腹圧性尿失禁の診断は問診,パッドテスト,膀胱造影(チェーン膀胱造影)やウロダイナミクス検査などが行われる。
膀胱頸部挙上術には到達経路から経腹的手術(Marshall Marchetti-Kranz法,Burch法—この術式を最近では腹腹鏡下でも行われている)と経腟的手術(Stamey法,Raz法,Gittes法),さらに尿道スリング手術[腹直筋筋膜,TVT(Tensionfree Vaginal Tape)とその他の人工材料]がある。経腟的手術は軽度のタイプIを中心に行われ,重度のタイプIIと内因性尿道括約筋機能不全のタイプIIIには尿道スリング手術や経腹的手術が選択されることが多い。
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